視力の垣根越え交流 凹凸上毛かるた体験会 群馬・前橋市

触覚で遊べるかるたを体験する参加者ら

 上毛かるたを題材に、絵札に凹凸を付けて目が見える人と見えない人が一緒に遊べるかるたの体験会(県立点字図書館主催)が21日、群馬県前橋市の県社会福祉総合センターで開かれた。県内の視覚障害者や障害者を手助けするボランティアら38人が、触覚を使って視力の垣根を越えた交流を楽しんだ。

 かるたは全盲の彫刻家、三輪途道さんが代表理事を務める一般社団法人「メノキ」(下仁田町)と、眼鏡チェーン「JINS」を展開するジンズ(同市)が手がけた。三輪さんが上毛かるたの絵柄を触覚で分かりやすいようにデザインし、紙粘土で原型を作成。群馬大の学生らが水性樹脂や石こうで仕上げた。

 会場ではアイマスクをした参加者が7グループに分かれ、デザインの印象を言い合ったり、同じ絵札を2組ずつ並べて神経衰弱をしたりして親睦を深めた。絵札を触って読み札を当てられなかった参加者が、スタッフから正解とデザインの解説を受けると、「あっ!なるほど」「想像力をかき立てる工夫を感じた」など関心を持つ声が上がった。

 メノキの副代表理事、福西敏宏さん(59)は「健常者と障害者がお互いを知るためのツールとして普及していきたい」と語った。

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