北海道/門別競馬場基幹施設整備、総事業費250億円・27年度完了めざす

北海道は、道営ホッカイドウ競馬門別競馬場の基幹施設整備の概要をまとめ、20日に開催した北海道議会農政委員会に報告した。「厩舎(きゅうしゃ)」「業務・来場者」「住居」の三つのエリアを段階的に整備する計画で、総事業費に約250億円を見込む。2024年度から厩舎エリアの整備を本格化させ、27年度末までにすべての整備を完了させる計画となっている。
日高町富川駒丘76の1に位置する門別競馬場は、北海道軽種馬振興公社が管理・運営する。トレーニングセンターとして使用していた馬場などを1982~85年に改修したため施設の規模や配置に課題があるとともに、厩舎や調教師らが居住するアパート群などの基幹施設は建築から35年以上経過し、老朽化が著しく、施設の更新・長寿命化が必要な状況となっている。このため、厩舎、業務・来場者、住居の三つのエリアの再整備を計画し、本年度に厩舎エリアの用地整備に着手している。
整備概要を見ると、現在はレース場の北東に住居併設の厩舎エリア、厩舎エリアとレース場の間に業務・来場者エリアが配置されている。これを住居エリアを残し、厩舎エリアだけをレース場西側の林地に移転する。
厩舎エリアでは、厩舎敷地33区画、ロンギ場6カ所、馬乗降所3カ所、ゲート練習スペース1カ所、公衆トイレ1カ所を整備。各厩舎敷地は24頭規模の厩舎1棟、倉庫兼事務所1棟、競走馬運動場2カ所、ウオーキングマシン1基で構成する。
業務・来場者エリアは、西側に来場者エリア、東側に業務エリアとなっている現在の配置を入れ替え、来場者エリア東側に駐車場と交流施設を整備。業務エリアには管理事務所や装鞍(そうあん)所、検体採取所などを集約する。住居エリアには調教師や厩務員らの職員とその家族約300世帯が新たに暮らす集合住宅を複数棟整備する方針だ。
事業費は厩舎エリアに約103億円、業務・来場者エリアに約104億円、住居エリアに約43億円を見込む。厩舎エリアは24、25年度の2カ年で整備する。業務・来場者エリアは25年度、住居エリアは26年度にそれぞれ計画段階に入り、いずれも27年度の整備完了を見込む。業務・来場者エリアと住居エリアの事業費は、今後の実施設計段階で精査し、圧縮を図るとしている。

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