【開幕スタメン予想|湘南】ポジション争いは熾烈。コンディションや組み合わせなどの要素を考慮してセレクト

いよいよ開幕を迎えるJ1リーグ。20チームに増えた24シーズンは、どんな戦いが繰り広げられるか。本稿では湘南ベルマーレの開幕スタメンを予想する。

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総勢30人とコンパクトな編成ながら、競争は熾烈だ。いかに18人を選ぶか、山口智監督も頭を悩ませることだろう。事実、「選手はよくやってくれている」と目を細めたように、活発な意見交換と切磋琢磨が始動から続いている。

今季の湘南はかつてないほどメンバーの入れ替わりが少ない。ルキアンと鈴木雄斗が新たに加入し、真田幸太と根本凌が期限付き移籍から復帰したほかは、完全移籍に切り替わったキム・ミンテと奥野耕平しかり、特別指定だった髙橋直也と高2から2種登録されていた石井久継もしかり、多くが残留争いに身を置いた昨季を知っている。

さらに言えば、「あと一歩という試合が多かったので、全然ダメだったとは思ってない」と、たとえば阿部浩之が昨季を振り返ったように、厳しい季節を乗り越え、チームの土台をなすメンバーが数多く残ったこと、そのうえでピンポイントの補強がなされたことは、間違いなくポジティブだ。

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開幕戦のピッチに誰が立つか。メンバーはコンディションや組み合わせなど、様々な要素が考慮されるだろう。

今回の布陣図もそれらを踏まえて予想した。しかし、考えるほどに難しい。なぜなら、2週間余りのキャンプを含め、それぞれに積み上げが感じられるからだ。

実際、「長いシーズンを戦っていくうえで、いろんな選手が競争し合っていくのが理想だと思うし、そういうチームが強い」と副キャプテンに就任した鈴木雄が語ったように、メンバーはこの限りではなく、1年を通して多くが変わることが期待される。

ところで、川崎戦といえば、国立で開催された昨季の第28節が記憶に新しい。フォーメーションを3バックに変え、ロングボールを多用した川崎の予想外の戦いに湘南は後手を踏み、0-2で敗れた。

あの苦い経験を通じ、チームとしてあらためて見つめたのは、たとえ相手が変わっても自分たちのコンセプトは揺るがないという本質だった。転じて、とりわけ相手の出方が予想しにくいシーズン初戦にあっては、かの試合で得た教訓を活かしたいところだ。

なにより、始動から切磋琢磨しながら積み上げている自分たちの戦いを開幕から存分に表現したい。

取材・文●隈元大吾

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