ミカン栽培に工場のCO2活用 蒲郡市や日本特殊陶業など

竹本油脂の亀岩工場に設けたCO2回収設備

 蒲郡市と日本特殊陶業(本社名古屋市)、竹本油脂(本社蒲郡市)、新東通信(本社名古屋市)の4者は、地域内で発生した二酸化炭素(CO2)を回収し、再利用する実証実験を開始すると発表した。竹本油脂の工場から排出されるCO2を回収し、ミカン栽培に活用するプロジェクトで、地域内で発生するCO2を再活用するまちづくりを目指す。

 同日、蒲郡市内で実証設備を報道陣に公開した。

 プロジェクトでは、ごま油を製造する竹本油脂の亀岩工場から排出されるCO2を、日本特殊陶業が開発した装置で回収する。回収したCO2は、愛知県農業総合試験場で冬季のミカン栽培に活用する。

 冬季のミカン栽培は、ビニールハウス内で行う。ただ、光合成に必要なCO2が不足するため、従来はハウス内で灯油を燃焼させ、発生するCO2を利用していた。

 実証は6月まで。1週間当たり10キログラムのCO2を回収し、再利用する。7月以降もハウスミカンの育成のほか、回収したCO2の用途拡大を図る。

 蒲郡市の鈴木寿明市長は「この取り組みが、県内、県外、全国へと広がることを期待している」と強調。日本特殊陶業の松井徹副社長は「CO2は、貴重な資源という側面もある。地域で再利用する取り組みを今後も広げていきたい」と語った。

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