【初心者必見】上達速度の目安

乗馬初心者の方は、馬に乗ることが楽しくて仕方がないことと思います。乗馬を始めたからには、綺麗に颯爽と乗りたいという上昇志向の方も多いのではないでしょうか。

今回は、少しでも上達して上のレッスンに参加したいと思っている方へ、上達速度の目安についてまとめました。

常歩

馬に最初に乗る際に覚えるのが常歩です。常歩の習得に必要な時間の目安ですが、約20鞍程度でできるようになります。
乗馬では、どのくらい馬に乗ったかということを表す場合、馬に乗った回数である鞍数で表現します。

常歩は馬が頭を上下左右に大きく動かして歩き、騎乗者には前後の揺れが伝わりますが、上下の反動はほとんどありません。
四拍子のリズムで右後肢→右前肢→左後肢→左前肢の順に肢が動き、常に2本あるいは3本の肢が地面に接している歩法です。常歩の速さは、分速で約110mほどです。

常歩上達のためのアドバイスを以下にまとめました。

常歩の発進

常歩の発進についてですが、発進の合図はなるべく優しくおこなうことを心がけましょう。初心者は、常歩の合図を送る時に必要以上にお腹をバンバン蹴ることが多いので注意して下さい。馬のお腹をやさしく圧迫しながら、足首を柔らかく上下に動かして合図を送ります。この時に足首全体を大きく動かさず、つま先の位置はできるだけ変えないように気をつけて下さい。
反応の良い馬であれば、わずかな合図で反応します。反応が悪いときは、徐々に合図を強めていきます。

常歩の継続

馬が常歩を始めた後も脚で合図を送りますが、脚を使うタイミングがとても大事です。
脚を使う際は、両方の脚を同時に使うのではなく交互に使って推進します。使い方は、馬の左肩が前に出たときに右脚を、右肩が前に出たときに左脚を使います。そうすると、脚を使った方の後肢がグッと前に踏み込んできます。
脚でお腹を圧迫することで、馬に対して後肢を前に踏み込むように、と合図を送っているのです。馬の肢の動きに合わせて合図を送ることで、馬を少ない力で推進させることができます

常歩上達のために

馬をコントロールするために、最初は手綱だけで操作してしまいまいがちです。手綱で操作すると、馬の口への刺激が強くなるので、馬は痛みから逃げようと首を振って反抗します。脚と重心移動で馬をコントロールし、手綱は最後に使ってみましょう。

また、初心者は鐙を踏んでバランスを取ろうとします。このような乗り方をしていると、駈歩でのバランスを取り難くなります。できれば常歩の段階で、坐骨でバランスを取る練習をしましょう。そのため鐙を外して乗る練習(鐙上げ)も効果的です。

速歩

初心者の方がまず最初に壁に当たるのが軽速歩ではないでしょうか。

速歩には、軽速歩(けいはやあし)と正反動(せいはんどう)の2種類があります。
軽速歩は馬の振動に合わせて鐙に立ち上がるため、馬からの衝撃を受けることがなくバランスを取りやすい乗り方です。
それに対して正反動は馬の背中に座り続けるため、上下動が激しいので初心者にはバランスをとることが難しいです。
通常は速歩は軽速歩から始めます。軽速歩をマスターするのに必要な時間の目安は、20鞍程度です。

速歩は、右前肢と左後肢がペアに、左前肢と右後肢がペアになってほぼ同時に交互に2拍子のリズムで動く運動で、速歩の分速は約220mほどです。
軽速歩は最初は鐙にうまく立てなかったり、バランスを崩すことが多いかもしれませんが、次第に安定するようになります。
とはいえ座る位置や重心のバランス、脚の位置などが毎回ズレてしまい、上手な軽速歩をマスターするのは大変です。軽速歩は馬の背中の筋肉をほぐし、準備運動として非常に効果的で人馬ともに快適な運動ができるようになるのでしっかりと練習して下さい。

なお鞍につけるのはお尻ではなく坐骨です。坐骨を立ててキレイな姿勢の速歩ができるよう心がけましょう。

手前を合わせる

軽速歩では、回る方向によって手前を合わせなければいけません。
軽速歩の手前を合わせる時は、左手前では外側である右前肢が前に出た時に立ち、内側である左前肢が前に出た時に座ります。
右手前の時は左前肢が前に出た時に立ち、右前肢が前に出た時に座ります。

軽速歩の時に手前を合わせる理由をご存知ですか?
それは、軸肢の着地に合わせて立ち座りをする事で、馬の踏み込みを助けるためなのです。
隅角を回る時、内側の後肢で人間の体重を支える方が馬への負担が少なくなります。

また、レッスン中に何度か手前を変えますね。手前を変えるのは、一方の手前だけ運動すると、その肢だけに負担がかかってしまうからなのです。

軽速歩の立つ回数や座る回数を変えてみる

軽速歩のバランス感覚を身につけるための練習方法をご紹介します。
軽速歩の時は、立つ座るを交互に繰り返しますが、この回数を色々と変えてみて下さい。
例えば「立つ、立つ、座る」や「立つ、立つ、立つ、座る」というように変えてみます。

この時に注意しなければいけないのが脚の位置です。
慣れないうちは脚が前に突っ張ってきて上半身が後ろに倒れてバランスを崩してしまいます。脚が前に流れないように気をつけましょう。
脚は腹帯直後の位置に常に置いておき、立ったり座ったりする際も脚は動かさないようにします。
立ち上がる時は、腰を張っておへそを前に出し馬の反動を利用して自然に立ちます。
鐙は真っすぐ下へ踏み下げるようにすることを意識しましょう。この時、脚に力が入らないように気をつけます。

駈歩

初心者の方が目指すところは、駈歩で颯爽と走ることでしょう。
常歩や速歩は、比較的乗れるようになるまでの目安はそれぞれ20鞍程度ですが、駈歩をマスターするためには、個人差はありますが大体50鞍程度の騎乗が必要になるでしょう。

常歩、軽速歩を既に20鞍ずつ乗っていると、だいぶ騎座も安定します。そのタイミングで、「駈歩をやってみましょう」とインストラクターから声をかけてもらえるでしょう。

まずは常歩、速歩で安定した騎乗ができることを目指して下さい。

上達の秘訣

最後に初心者が上達する方法ですが、それは1鞍でも多く乗ることです。

乗馬は乗れば乗るほど上手くなります。特に100鞍までは、急速に上達のスピードが早い時期です。
例えば週1回しか乗馬クラブへ通えない場合でも、1鞍よりも2鞍、2鞍よりも3鞍乗れば、上達のスピードは2倍、3倍とアップします。

馬に乗ることができない時にイメージトレーニングはできますが、乗馬は馬に乗ることで上達するスポーツです。出来るだけ馬に沢山乗って下さい。

人によって上達の速度は異なります。基礎を大切にすること、焦らずじっくり取り組むことが、実は上達への近道なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は乗馬の上達の目安についてご紹介しました。

どのスポーツも同じではありますが、乗馬も騎乗すればするほど上達します。しかし上達のスピードには個人差がありますので、単純に鞍数だけで判断しないで下さい。
出来るだけ馬に乗る機会を作って、上達を目指して下さいね!

© 株式会社ワールドマーケット