能登半島地震の揺れ、シミュレーターで再現 大分大が県内自治体で体験試乗【大分県】

大地震の揺れを体感する豊後高田市職員=豊後高田市役所

 大分大減災・復興デザイン教育研究センター(CERD(サード))は、大地震の揺れを体感できる地震動シミュレーターの体験試乗を県内の自治体で実施している。CERDによると、元日に発生した能登半島地震の揺れを初めて再現した。防災対策に生かしてもらう狙い。

 シミュレーターは東京都の地震観測装置メーカーが開発した「地震ザブトン」。椅子型の機械が水平に動く仕組みで、東日本大震災や熊本・大分地震などで観測されたデータに基づいて作動する。

 能登半島地震は、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が公開した地震動の波形を分析。家屋の倒壊が相次いだ石川県珠洲市の震度6強の動きを再現した。

 ゆっくりと揺れ始めた後、前後左右に大きく円を描くように何度も揺さぶられ、体を振り落とされるような激しい動きが続いた。

 豊後高田市は7日に市職員約60人が体験した。市内は周防灘を震源とする地震で最大震度6強が想定される。飯沼憲一総務課長(55)は「あんなに鋭く長く揺れると思わなかった。改めて市民に耐震対策などを呼びかけ、行政の初動対応も確認したい」と述べた。

 CERDの板井幸則防災コーディネーター(65)は「どこでいつ起きるか分からない。行政も意識を高め、住民への啓発や備えをしっかり進めてほしい」と話した。

 試乗は中津や大分など沿岸部を中心に7市町の職員を対象に2月中に実施する。新年度以降、一般向けの体験会も検討している。

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