日本航空電子は自己株TOB中止を、キュリRMB「株主利益にならず」

Makiko Yamazaki Atsuko Aoyama

[東京 22日 ロイター] - 日本航空電子工業(JAE)が親会社のNECの保有する自社の株式を買い戻すために実施している自己株式の公開買い付け(TOB)について、両社の株主のキュリRMBキャピタルは21日、中止を求める方針だと発表した。JAEは過去に買収提案を受けたと明らかにしており、こうした買収提案を再検討することも求める。自己株TOBは「両社の株主の利益にならない」としている。

JAEは15日、複数のファンドから市場株価を大幅に上回る買収提案を受けていたとロイターなどが報じたことに対し、過去に複数の買収提案があったことは事実とするコメントを公表。

キュリRMBは過去の提案の中に、NECの保有するJAE株取得に関する具体的提案があったのなら、JAE取締役会は提案を真摯に検討するべきとした。自己株TOBについて非財務情報の観点から、JAE・NEC経営陣と株主との間に利益相反があった可能性を問題視しているともしており、適切な情報開示も求めている。

キュリRMBが求める措置を取らない場合、NECの取締役会で過去の提案に関して真摯な検討が行われていたかなどを確認するため、裁判所に取締役会議事録の閲覧に関する許可を申し立てることも検討するとした。

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