「常に新しい魅せ方を」変面師・京介さん 孔子廟などで変幻自在のショー

「中国の人にも『すごい』と言われるようないいパフォーマンスをしたい」と話す京介さん=長崎市、長崎孔子廟

 「常に新しい魅せ方を考えている」-。長崎県長崎市で開催中の長崎ランタンフェスティバルを盛り上げる「変面ショー」。長崎孔子廟(びょう)(大浦町)に所属する唯一の変面師、京介さん(26)=本名・坂瀬京介=は毎日、変幻自在のショーで来場者を魅了している。
 長崎市出身。小学時代からソフトボールを始め、中学では硬式野球の全国大会に出場した生粋の野球少年。高校、大学でも内野手としてプレーした。就職活動中「どこかでサラリーマンになるんだろうな」と漠然と考えていた時、変面に出会った。
 変面は中国四川省に伝わる伝統芸能「川劇」で披露される人気の演技。演者が顔に手を当てた瞬間、男性や女性、動物などの布の面を次々と入れ替える。技の秘密は他言無用だ。
 変面師を探していた孔子廟から勧誘を受け、一度は断った。その後も誘いが続き、次第に心境が変化。「誰もが経験できるわけじゃない。いい経験になるかもしれない」。2019年3月から先輩の変面師と練習を始め、技を覚えた。
 同年11月、デビュー。新型コロナウイルス感染症が流行し始めた後もステージに立ち、スキルアップに励んだ。新型コロナが「5類」に移行した昨年は多い時で月20本以上のイベントに出演した。
 4年ぶりの通常開催となったランフェス。孔子廟のほか、中央公園(賑町)と湊公園(新地町)の舞台にも1人で立つ。「構成や世界観、曲の変更など、自分がやりたいことを前面に押し出せている」。より一層ステージで輝き、多くの人に楽しんでもらうため、新しい演出を練る日々だ。
 孔子廟によると、期間中、1日約4千人が入場。変面ショーの時間が近づくと入場者が増え始め、初めて入場制限を実施したほど。担当者は「今年は中国雑技がなく、月9ドラマで孔子廟が取り上げられた相乗効果もあり、殺到しているのでは」と分析する。
 京介さんはランフェス期間中、孔子廟での変面ショーに毎日出演。23日は中央公園、24日は湊公園にも登場する。スケジュール変更の可能性あり。

19日夜にあった京介さんの変面ショー。瞬時に面を変える技に観客は大盛り上がり=長崎市、長崎孔子廟

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