国交省、豊田自動織機に是正命令 悪質ケース「型式指定」取り消し

豊田自動織機によるエンジンの認証不正問題で、国交省の鶴田浩久物流・自動車局長(左)から是正命令書を受け取る伊藤浩一社長=22日午前、国交省

 トヨタ自動車グループの豊田自動織機によるエンジンの認証不正問題で、国土交通省は22日、道路運送車両法に基づき、再発防止などを求める是正命令を出した。鶴田浩久物流・自動車局長が伊藤浩一社長に命令書を手渡した。是正命令は2022年9月の日野自動車、24年1月のダイハツ工業に続き3例目。

 国交省はフォークリフトなど産業機械用のエンジン3機種について、試験時に制御ソフトを書き換える特に悪質な不正があったとして、大量生産に必要な「型式指定」を取り消す方針も明らかにした。豊田自動織機側の意見を聞く聴聞を29日に実施し、反論がなければ指定取り消しの行政処分が確定する。

 国交省の担当者は、豊田自動織機が法令違反を確認したと公表した自動車用エンジン3機種について、現時点で指定を取り消すほど悪質な不正は見当たらなかったとしている。

 命令書を受け取る際、伊藤社長は「責任を重く受け止めている。改革と再生に最優先で取り組む」と述べた。その後の記者団の取材に対し、聴聞では特に意見を述べる予定はないと説明した。

豊田自動織機碧南工場=1月

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