ウクライナ「忘れず関心持って」 キーウ出身のアリョーナさん 茨城大で講演 

一時帰国した際の現地の様子などを語るコルダエヴァ・アリョーナさん=水戸市文京

2022年2月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻開始から24日で2年になるのを前に、首都キーウ出身のコルダエヴァ・アリョーナさん(29)が21日、茨城県水戸市文京の茨城大で講演した。昨年末の一時帰国時に大規模な攻撃を受け、屋内避難を強いられた体験などを紹介。「現地情勢は依然不安定」とし、「ウクライナを忘れないで。一人一人が関心を持ち続けて」と訴えた。

講演会は同大人文社会科学部市民共創教育研究センターが主催した。学生ら約120人が参加し、熱心に耳を傾けた。

アリョーナさんは筑波大大学院に留学し、修了後、キーウで生活。ロシア軍の侵攻を受けて、母、妹と共にオーストリアまで約1300キロの陸路を2日かけて避難した。22年3月末に単身で来日し、23年10月に関彰商事に入社。現在は同県つくば市内で働いている。

昨年末に一時帰国し、家族らと再会を喜び合った。街の人影はまばらで、2年前とは明らかに違う雰囲気だったという。空襲警報のたびに「街の動きが止まる」ため、友人と会うのを諦めたこともあった。

語学教師のシリーブラ・オリャさん(28)も現地からオンラインで参加。「サイレンを聞くたびに最後かもしれないと思って暮らしている」と心情を伝えた。アリョーナさんは「未解決のまま放置されるのが最も恐ろしい。できる形で、この問題に関わり続けてほしい」と呼びかけた。

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