「モノづくり工房」学内に開設へ 福島県いわき市の福島高専 学生の起業後押し

福島高専に新年度に開設される「モノづくり工房」の内部

 福島県いわき市の福島高専は新年度、アントレプレナーシップ(起業家精神)教育の一環として、3Dプリンターなどの最先端機器を備えた「モノづくり工房(仮称)」を学内に開設する。学生が自分のアイデアや技術を形にできる場として開放し、ものづくりを基盤とした起業を後押しする。

 工房は製品や部品を試作する場として地域環境テクノセンター内に整備し、学生が試行的に活用している。プラスチックや皮革、木材などさまざまな素材に直接印刷できるUV(紫外線)プリンターや3Dプリンター、素材から製品・部品を削り出せる3Dモデリングマシン、レーザー加工機など10種類以上の機器を導入する。各種部品や製品、容器などの試作ができる他、動画制作の場としても使えるようにする。

 福島高専は工房を学生が自由に活用できる試作スペースと位置付け、授業で活用する他、学生の愛好会などによるものづくりコンテストへの応募を促す。また、工房での活動を通じて、学生が自らの技術と発想を用いて地域課題の解決に取り組み、地域活性化に貢献することも目指す。

 工房の正式な開設を前に19日、福島高専で学生によるプレオープンコンテストが開かれた。18組が参加し「プロダクト」「デザイン」「コンテンツ」「フリー」の4部門で工房の機材などを利用して試作した作品を発表した。1件につき2分間の持ち時間で、「無線通信部オリジナルパーカー」「大熊町を照らすランタン」「ROBO―ONE Light級 二足歩行型ロボット」「磐越東線の魅力を伝えるためのPV」などの作品をプレゼンテーションした。

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