西肥バスが461便減便 3年連続の大幅減 俵ケ浦など5エリア半減へ 4月ダイヤ改正 長崎・佐世保市

 長崎県佐世保市の西肥自動車(西肥バス)は21日、4月1日のダイヤ改正で、路線バスを現行から461便減らすことを明らかにした。減少率は8.8%。運転手不足に加え、4月から運転手の労働時間の規制を強化する「2024年問題」に対応するため。大幅な減便は22年から続いており、21年と比べて約30%の減便となる。
 早朝と夜の時間帯などを減便したり、路線区間が短く乗車人数が少ない路線を廃止したりする。減便率が高いのは▽俵ケ浦▽宮津町▽烏帽子岳▽弓張岳▽下原橋の5エリアで、1日の運行数が約半減となる。
 3月までで廃止するのは、いずれも平日のみ運行している▽新みなとターミナル前-佐世保市総合医療センター▽黒髪-須田尾-佐世保駅もしくは西高校入口-の2路線。近隣に別の路線があり、区間内のバス停で乗降する利用者が1日当たり1.7人~6.3人と少ないという。
 市内の路線バスは、同社とさせぼバスが体制を一本化し、一部路線をさせぼバスが受託運行している。体制を一本化した19年に295人いた運転手は年々減少し、24年2月1日時点で240人。4月からはバスなどのドライバーの長時間労働の是正を目的に労働時間の規制が強化され、同社によると、現行の便数を維持するには30人程度の運転手が足りないという。
 市役所であった「佐世保市・佐々町地域公共交通活性化協議会」で西肥自動車の山口健二社長が報告した。このほか、運転手らの処遇改善と運行コストの上昇を理由に、24年度のできるだけ早い段階に運賃を改定する考えも示した。

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