岩手県立病院、18億円赤字予算案 2024年度当初見込み

 

 岩手県医療局(小原重幸局長)は、2024年度の県立病院等事業会計当初予算案を編成し、経常損益が約18億円の赤字となる見込みとなった。新型コロナウイルス感染症の5類移行後も患者数が回復していないほか、職員の給与引き上げや燃料価格の高騰などで費用がかさんだ。当初予算案で経常赤字を見積もったのは16年度以来8年ぶり。病院経営を取り巻く環境は厳しさを増している。

 県医療局によると、収益は1199億1166万円(23年度当初比11億7788万円増)。診療報酬の引き上げにより、患者1人の1日当たりの単価が上がり、入院・外来収益とも増加を見込む。

 これに対し費用は1217億3553万円(同27億9456万円増)。県人事委員会勧告に準じた給与引き上げにより、給与費が618億1483万円(同11億2826万円増)に膨らむ見通し。経費は電気代の高騰などにより191億3220万円(同14億2243万円増)と見積もった。

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