みなさんはものを購入するときに意識している基準はありますか? 日本で育ち、20代でフランス文化と出会った著者Katie氏は、どのように購入するものを選んでいるのでしょうか。著書『年齢を重ねるのが楽しみになるフランス流のもの選び』より、YouTubeでフランス流シンプルシックな暮らしについて発信をしているKatie氏が解説します。
フランス流もの選びの3箇条
この記事では、ものの選び方について、私の思うところをお話ししていきたいと思います。
使い捨ての多い日本の文化で育ち、20代でものを捨てないフランス文化と出合いました。
そこで感銘を受けて以来、ものは安易に捨てたくないからこそ、厳選して買うようになりました。
もの選びで私が大切にしている3箇条をご紹介します。
第1条 流行りは追わない
フランス人の行動は、気分が上がるか、心地良く過ごせるか、という自分軸が基準です。
その中に、人にすすめられたから、流行っているから、という他人の干渉による選択肢はありません。私も同じで、もの選びでは自分の気持ちが最優先。
流行は、言ってみれば、自分以外の人の思惑で作り上げられたようなもの。自分がそれを着ることで気持ちが上がるかどうかは別問題です。
さらに、「流行」がもの選びの基準になってしまうと、それが終われば、とたんに「流行遅れ」に格下げされてしまい、いくら気に入っていたものであっても周りの目が気になってしまいがちです。
そうした負の連鎖を生まないためにも、自分以外の思惑や感情に惑わされず、自分が心地良く過ごせるものだけを選ぶようにしています。
第2条 自分のライフスタイルに合っている
自分の好きなことを自分のペースでやることがフランス人の国民性です。それが彼らのアイデンティティであり、ライフスタイルを作っている土台でもあります。そして、それに密接に関係しているのがもの選びです。
私は、いつでも心地良く過ごしていたい、無理はしたくない、素敵に歳を重ねていきたい、という理想のライフスタイルがあり、それを叶えてくれるのが身の回りのものたちです。
四季折々のお花を飾り、ワードローブには大好きなアイテムを揃え、眺めるだけで癒されるかごバッグやスーツケースを置き、自分を引き上げてくれる名品を味方に持つのもそのためです。
また、バーキンでいえば、日本では25や30の小さめサイズが人気ですが、私はバッグにノートパソコンを入れて持ち歩きたかったので、大きいサイズの35しか選択肢にありませんでした。
しかし、それほどものを持ち歩かない人には大きすぎるかもしれません。
ものは自分のライフスタイルに合っているからこそ、活躍の幅が広がるのです。
第3条 自分が選んだものに誇りを持って、使い切る
「今、自分にとって必要な分だけ買う」という習慣は、生活に大きく影響を与えています。そして「使えるまでとことん使い切る」ことも習慣になりました。
ものにも命があります。それはブランドや金額に関係なく、たとえ100円であったとしても自分が本当に大切にしていきたいものなのか、その命を使い切れるのか、常に向き合うようにしています。
命の長さは、ものによって当然違ってきます。
洋服なら、着ているうちに穴が空いたり、ほつれてしまったりということもあります。
穴やほつれはリペアするけれど、生地が傷んでしまったから買い替える、ということもあるでしょう。
ものの命をどのように終えるかは、自分の基準。
単に「最後まで着る=ボロボロになるまで着続ける」というのではなく、使っていくうちに「そろそろお別れだな」と思うときが「ものの寿命」だと思っています。