3つに分割された画面 煉獄のような場所で3人の女性が歌う ペドロ・コスタ監督「火の娘たち」公開決定

2023年の第76回カンヌ国際映画祭で特別招待作品として上映された、ポルトガルの鬼才ペドロ・コスタ監督の最新短編「火の娘たち」が、監督の前作「ヴィタリナ」と合わせて、2024年3月23日より劇場公開されることが決まった。

「火の娘たち」は、チェーホフの「三人姉妹」から着想を得た物語で、3つに分割された画面に1人ずつ異なる女性が映し出される作品。火山のマグマが迫るそれぞれの場所で、彼女たちは孤独や苦難、仕事の苦労、そして不屈の精神について歌う。美しくも煉獄(れんごく)のような場所で、賛美歌のような幽玄な音楽が奏でられるという、異色のミュージカル映画となっている。

「ヴィタリナ」は、出稼ぎに行った夫がいつか自分を呼び寄せてくれると信じて待ち続けるヴィタリナを描いた作品。夫は数日前に亡くなり、すでに埋葬されていたことがわかったヴィタリナは、亡き夫の痕跡を探すかのように、移民たちが暮らす街にある夫が住んでいた部屋にとどまることを決意。その部屋の暗がりで、自らの波乱に満ちた人生を語り始める。自身の名前と同じ主人公を演じたヴィタリナ・ヴァレラが、ロカルノ国際映画祭で女優賞を受賞した。

【作品情報】
火の娘たち
ヴィタリナ
2024年3月23日(土)~29日(金) ユーロスペースにて期間限定公開
配給:シネマトリックス

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