「レイズの投手層を考えると…」上沢直之のロースター入りに専門メディアは厳しい見通しも、チームへの献身性と強い覚悟に好感示す

今オフ、新たに海を渡った日本人投手が話題となっているメジャーリーグで、タンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだ上沢直之も注目を集める存在だ。

現在、招待選手としてレイズのキャンプに参加し、新天地で一軍昇格へ向けてのアピールに力を注いでいる右腕には現地メディアからの期待値も高い。レイズの情報を発信する『DRaysBay』が現地時間2月20日に上沢の特集記事を配信。今後のメジャー昇格への見込みについて論じている。
同メディアは、「おそらくこの春、ロースター以外の招待選手の中で最も興味深いのは、日本から来たナオユキ・ウワサワであり、彼はレイズで投げることを心から望んでいる」と綴っており、続けて、「レイズの投手層を考えると、残念なことに、30歳の彼がポジションを獲得する可能性は低いだろう」と見通している。

だが、その上で「しかし、レイズファンがよく知っているように、投手陣の選手層がどんなに厚くても、いつ次の投手が必要になるかわからない」と論じており、「しかし、たとえ開幕ロースターに入れなかったとしても、彼はマイナーリーグでレイズのために投げることを望んでいることも、ファンは理解している」と指摘。

さらに、契約条項のひとつにも言及し、「ウワサワのレイズに対する献身さは、スプリングトレーニングの終わりに向けて試されるかもしれない。彼の契約には、3月23日に他のチームが彼に40人のロースターに入れる機会を与えたい場合、レイズは彼を手放すか、40人のロースターに加えるという条項がある」と説いている。

上沢のレイズ加入が発表された際には、他球団からのメジャー契約もあったとも伝えられた。同メディアは、敢えてマイナー契約でレイズを選択した理由について、上沢が語ったコメントも掲載。30歳の強い覚悟にフォーカスしている。

「今年はアメリカのみんなに自分の実力を見せなければいけない。レイズは投手として成長するチャンスをたくさん与えてくれると思うので、ここが僕の居場所だと感じている」

またトピックの中で同メディアは、「キャンプでは表向きはルーキーだが、日本ハムファイターズで11年間の投手経験を持ち、2013年にはわずか19歳でプロ1年目のシーズンに登板。2023年には1回平均7イニングを投げた仕事人である」と評しており、キャリアや実績への称賛の言葉も並べている。

成長を求め、新たな挑戦に踏み出した上沢。現地メディア、ファンの期待を背に、大舞台のマウンドを目指す。

構成●THE DIGEST編集部

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