ウィリアム皇太子が異例の政治的声明発表 ガザ戦闘終結訴える 故エリザベス女王の方針と対照的で前例なし

英ウィリアム皇太子が、ガザ戦闘終結を訴える異例の政治的な声明を発表した。

昨年10月7日のハマスによるイスラエルへのテロ攻撃に端を発したイスラエル・ハマス戦争での死者の増加について「深く憂慮」しているという皇太子の声明は、政治について公にコメントすることを避けてきた故エリザベス女王の方針とは対照的で前例のないものだ。

妻のキャサリン妃が1月に受けた腹部手術からの回復を続けるなか、公務に復帰しつつある皇太子は、20日(火)にオンラインで発表された声明のなかで次のように述べた。「私は、10月7日のハマスによるテロ攻撃以来、中東における紛争の犠牲者があまりにも多いことを深く憂慮しています。あまりにも多くの人々が犠牲になっています」「私も他の多くの人々と同様、一刻も早い戦闘終結を望んでいます。ガザへの人道的支援の強化が切実に求められています。援助が届き、人質が解放されることは生死を分ける非常に重要な事です」「最も暗い時であっても、絶望に屈してはなりません。私は、明るい未来が見つかるという希望にしがみつき続け、それをあきらめるつもりはありません」

皇太子夫妻は以前にもハマス非難の声明を発表しており、10月にハマスがイスラエル南部を襲撃した際、同武装勢力によって約1200人(そのほとんどが民間人)が虐殺され、さらに少なくとも250人が人質として拘束されたことについて、「深く心を痛めている」と述べていた。

3児の父でもある皇太子は、夫妻のXアカウントでこのメッセージが発表された同日、英国赤十字社を訪問、「父親として」ガザ戦争への憂慮を伝えたかったと語っている。

ガザ保健省の19日の発表によると、戦争によるパレスチナの死者は、女性と子どもを中心に2万9092人に上り、ガザの人口の80%近くが自宅を追われ、餓死の危機に直面しているという。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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