ロッシ、MotoGPで4勝を挙げたカタールでWECデビューへ「2024年は将来を決める重要な年になる」

 バレンティーノ・ロッシは、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットでWEC世界耐久選手権のキャリアをスタートさせることに、非常に前向きであると語った。彼は四輪に転向する前にMotoGPで4勝を挙げたコースをふたたび攻略することを楽しみにしている。

 このイタリア人レーサーは、3月2日(土)に開催されるWEC第1戦『カタール1812km』で、チームWRTの2台体制によるLMGT3プロジェクトの一員として、46号車BMW M4 GT3をマキシム・マルタン、アハマド・アル・ハーティとともにドライブし、世界最高峰のスポーツカーシリーズへのデビューを果たす。

 ロッシにとって、カタールでの開幕戦はMotoGP時代に大きな成功を収めたサーキットへの復帰戦となる。もともとオートバイレースのために建設されたロサイル・サーキットでは、2004年にカタールGPが初開催された。その後ロッシは、2005年、2006年、2010年、2015年と4度の優勝を飾り、2005年に優勝した際にはここで自身4度目のMotoGPタイトル獲得も経験している。

 以来、ロサイル・サーキットは四輪レースの開催地としてもますます人気が高まっており、2021年には初めてF1の開催も実現。そして、2022年12月に発表されたWECとの6年契約に基づき、この3月にWECカレンダーにデビューすることとなる。
 
 WEC初参戦を前に、ロッシはロサイルでふたたびレースをすることへの見通しを前向きに語り、以前と異なるカテゴリーでこのサーキットを再発見することを楽しみにしていると付け加えた。

「僕にとって、カタールでレースを始めるのはとてもポジティブなことだ。2004年の初年度から二輪で走っていたんだ。四輪のマシンであのコースを走り、どんなことが起こるのか、とても興味がある」とロッシはSportscar365に語った。

複数のスポーツカーシリーズでBMW M4 GT3をドライブするバレンティーノ・ロッシ

 WECとファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)のエンデュランス・カップに参戦するBMWとの今後のキャンペーンについて、彼はGTレースにおける自身の将来を決定する上で、その重要性を語った。

「たくさんレースをすることになるだろう。16戦ぐらいだと思うな」とロッシ。

「今年はGTワールドチャレンジとWECの狭間にいるからね。もちろん、ふたつは異なる選手権だ」

「特にル・マンやそれ以外のレースでWECに参戦できるのはとても嬉しいけど、そういうレースでのフィーリングはわからないんだ。だから、将来どの選手権でレースをするか決める重要なシーズンになると思う」

「GTワールドチャレンジはとても楽しい。WECは世界選手権だからレベルはより高いけど、ハイパーカーもコース上にいるし、他と異なる面もある。新しい経験になるだろうね」

 WECのラインアップでは、ロッシは昨年ミサノでGTWCヨーロッパ・スプリント・カップ優勝という快挙を達成したマルタンとのパートナーシップを継続する一方、アル・ハーティとは初めてチームを組むことになる。2023年のル・マンでクラス表彰台を獲得するなど、デビューイヤーに好成績を収めたオマーン出身のアル・ハーティは、2度目のWECシーズンに臨む。

「書類上では、我々は非常に強力なラインナップだ」とロッシは述べた。

「アル・ハーティはとても速いし、僕は速い方のシルバーだし、マキシム(・マルタン)も速いプロだ。でも、こういった種類のレースや選手権では、レースが始まってみないと自分のレベルはわからないものなんだ」

「でもリストの上では僕たちは強いと思う。僕にとって勝つことは簡単ではなかったが、それでもトライした。2023年は僕にとって自分のレベルがたくさん上がり、とてもポジティブな年だったんだ」

「あと一歩の時もあれば、そうでない時もあったけど、僕はまだプロのレベルには達していない。だから簡単ではないだろうけど、そこに到達できるようにトライしていくことが目標だ」

2月16日に45歳の誕生日を迎えたバレンティーノ・ロッシ バサースト12時間の現場ではバースデーケーキが振る舞われた

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