森山未來が37歳の化け猫に 日仏合作アニメーション『化け猫あんずちゃん』7月公開決定

子猫の時に拾われ、10年たっても20年たっても死なず、気が付けば30年以上生き人の言葉も喋れるようになっていた化け猫あんずを主人公にした、熱狂的ファンを持つ、いましろたかしによる漫画『化け猫あんずちゃん』がアニメーション映画化。2024年7月の公開が決定しました。

『リンダリンダリンダ』や大ヒット公開中『カラオケ行こ!』などで映画ファンから絶大な支持を集める山下敦弘と、『花とアリス殺人事件』にロトスコープディレクターとして参加した気鋭のアニメーション監督久野遥子がダブル監督を務めます。

本作では、実写で撮影した映像から動きや表情を抽出してアニメーションにするロトスコープの手法を採用。まず山下監督を中心に実写として撮影し、その映像をもとに久野監督が中心となり生き生きとしたアニメーションを作り上げます。実写で役者が演じた登場人物たちはその魅力を活かしながら、久野監督デザインによるキュートなキャラクターに変貌をとげ、ロトスコープならではの生き生きとした動き・表情で動き回るアニメーションになるという特別な仕上がりに。実写とアニメそれぞれに第一線で活躍する2人がタッグを組んだ、この作品だけのケミストリーにご期待ください。

制作は『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』で知られ、『窓際のトットちゃん』など繊細な芝居を得意とするシンエイ動画と、23年カンヌ国際映画祭で短編パルムドールを受賞した『24(原題)』など世界が注目するスタジオであるフランスのMIYUプロダクションが共同で制作する初の長編アニメーションになります。

久野遥子監督は、多摩美術大学在学中に制作した短編アニメーション『Airy Me』が第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を始め多数の受賞、海外映画祭での上映にて一躍注目を集め、アニメーション作家として活躍する傍ら、商業アニメーションとしてTVアニメ『宝石の国』、『BEASTERS』、『映画クレヨンしんちゃんシリーズ』などでも演出、絵コンテ、原画などで頭角を現し、アニメファンからも熱い支持をうける気鋭のクリエイター。みずみずしさ溢れる豊かな人物やキャラクターの表現力は唯一無二とされ、直木賞候補にも選出された『オルタネート』(加藤シゲアキ・新潮社)の表紙イラストでも話題を呼びました。海外でもその才能が注目されており、フランスからのラヴ・コールを受ける形で今回の日仏合作の運びとなりました。

また、キャスト(声と動き)として化け猫のあんずちゃんに、『ボクたちはみんな大人になれなかった』、『ほかげ』他、数々の話題作に出演、多岐に渡るジャンルで、国内外で唯一無二の活躍を続ける森山未來が決定。森山があんずちゃんを実写映画と同じように演じ、撮影。その映像から動きや表情のエッセンスを抽出しアニメーションのあんずちゃんに命が吹きこまれ、なんとも人間味のある!? 動きや表情が表現されています。また声も撮影時の音声がそのまま本編に使用されており、他のアニメーション作品とは一線を画す自然でリアルなやりとりを生んでいます。

あんずちゃんの声と動きを担当した森山は、「森山の造形はほぼ跡形もなくなるんだな。でもフランス×日本合作の実験的で楽しそうな座組だし、あんずちゃんよろしく、ゆるゆると夏休み気分で行ってみるか!」と忙しいスケジュールをぬって撮影に参加した際の気持ちを振り返っています。また、鬱屈した思いを抱え、あんずちゃんと出会い変わっていく少女“かりん”を山下監督の『1秒先の彼』でもフレッシュな魅力を発揮した五藤希愛が担当します。

さらに、この度新ヴィジュアルと超特報映像が公開となりました。MIYUプロダクションが中心に作り上げる絵画のような美しさの背景の中に、ロトスコープにより生きているかの様に描かれるあんずとかりんの瑞々しいアニメーションが垣間見える一味違う特別な仕上がりを期待させます。世界の才能が集結し、満を持して送り出す『化け猫あんずちゃん』は2024年7月全国公開です。

[コメント]
コロナ禍真っ只中の夏の日。
山下敦弘監督、いまおかしんじ脚本で映画を撮るという。
10年ぶりの懐かしくも嬉しい座組である。
そして久野遥子監督によって、ロトスコープ・アニメーションになると聞く。
実写からアニメに?それもおもしろそうだ。
原作はいましろたかしさんの「化け猫あんずちゃん」。森山はあんずちゃん。
…森山の造形はほぼ跡形もなくなるんだな。でもフランス×日本合作の実験的で楽しそうな座組だし、あんずちゃんよろしく、ゆるゆると夏休み気分で行ってみるか!
それが東宝の配給による夏休み映画になるらしい。
青天霹靂、棚からぼたもち…いやいろいろ失礼かもしれないけれど、正直びっくりである。
まぁ、そんな個人的な成り行きはともかく、楽しんでもらえたら幸いです。
――森山未來

かりん役で出演が決まったとき、嬉しくて、思わず飛び跳ねて喜びました。
同時に私にできるだろうかという不安もたくさんありました。
なぜなら、台本を初めて読んだとき、「えっ!私以外ほぼ妖怪?」と驚きましたから(笑)。
今回の作品で、森山さんと同じシーンを経験させて頂けたことが、私にとって何よりも大変貴重で、幸せな時間でした。
劇場公開がとっても待ち遠しいです。
――五藤希愛

学生のころ偶然本屋でいましろたかし先生の漫画を見つけて、なんて実直に人間を描いているんだと衝撃が走りました。なので「化け猫あんずちゃん」の監督オファーは本当に嬉しかったです。
ロトスコープは実写映像を元に絵を描く手法な為、リアルな身体表現のために使用することが多いのですが、私はお芝居の魅力を表現することにも向いていると思っていました。
山下監督が映し出す温度のあるお芝居を冷ますことなくアニメーションで再構築する体験は贅沢で痺れました。
そして、Miyu Productionsによって描かれた美術と色彩は、見慣れた日本の風景をこんなに新鮮な景色にするのだと驚きました!
そんな風景を生き生きと動き回るあんずとかりんをぜひ劇場で体感してください!
――久野遥子監督

漫画『化け猫あんずちゃん』はいつか映像化したいと思ってはいましたが、まさか長編アニメ映画として作ることになるとは思ってもいませんでした。共同監督の久野遥子さんは時に原作から逸れて行ってしまう自分を何度も引き戻してくれて、原作への愛情の深さに自分自身、とても影響を受けました。主人公“あんず”にはずば抜けた身体能力を持った森山未來しかいないと、自分の中で決めていて、“猫”という難しい演技を森山くんは期待以上に表現してくれました。企画の立ち上げから7年以上の月日が経とうとしていますが、唯一無二の映画が出来上がりました!是非、スクリーンで観てください。
――山下敦弘監督

©️いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

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