礒部花凜&船戸ゆり絵&小泉萌香、MIX JUICE from アミュボchが生産者に届けた愛 初ファンミレポ

開演前、船戸ゆり絵と、小泉萌香から、『MIX JUICE from アミュボch ファンミーティング2024 ~生産者の集い~』昼公演後に礒部花凜に喉の不調がみられたため、夜の2部公演では一部トークや歌唱に変更があることがアナウンスにて伝えられる。すると客席からは、一瞬のざわめきのあと温かな拍手が送られた。2月17日、会場のNEW PIER HALLに集まったのはMIX JUICE from アミュボchのファン・生産者。そのファンネームの由来は、3人のことを応援し、育ててくれる存在だから。会場内は、開演前から、まさに生産者らしい大きな愛情に包まれた。

イベントは3人と、ナレーターとして、彼女たちと同じくAMUSE VOICE ACTORS CHANNELのメンバーでもある和泉風花を迎えた朗読劇でスタート。「ある日の三姉妹」をテーマに、3人がしりとりをしながら小泉の誕生日をサプライズで祝うという物語を、本当の姉妹のように仲睦まじく演じた。朗読劇が終わると、最初に礒部が「ちょっと(喉を)温存しながら気持ちは150パーセントで盛り上がっていきたいと思います」と意気込みは十分だと伝えた。その後の自己紹介では、礒部の自己紹介部分を船戸が担当することに。まるで話しているかのように振る舞う礒部の後ろで、船戸が身を隠しながら完璧な長女ボイスで再現するという機転を利かせ、この日ならではの三姉妹の挨拶をしてみせた。

その次に行われたのは企画コーナー「以心伝心チャレンジ」。しかしこの公演で彼女たちが挑戦するのは回答を揃えるのではなくお互いが言いそうなことを予想しバラけさせるという、通常とは一味違う以心伝心ゲーム。「三姉妹の回答をバラけさせろ!」という副題を見て「得意分野です!」と、これまでの経験から自信をのぞかせた彼女たちは「夏に行きたい場所といえば?」や「ジブリ<宮崎駿監督作品>といえば?」「韓国料理といえば?」など7問に挑戦し、時に審判スタッフへ多少の圧もかけつつ、見事全問クリア。MCの和泉から「バラけさせるの、本当にうまいね!」と感心されるほど、個性を爆発させた。

MIX JUICEは、YouTubeチャンネル「AMUSE VOICE ACTORS CHANNEL」から誕生したユニットであることから、イベントではYouTubeチャンネルとの連動企画も行なわれた。動画内で様々な対決に挑戦してきたメンバーたちだが、これまで船戸はどの対決でも勝ったことがない。ということで、「次女 ゆり絵の逆襲」と題してこれまで船戸が敗れた三種目に挑戦することに。1つ目は紙飛行機飛ばし。動画での船戸は、後ろに飛ばしてしまうというまさかの展開で大敗を喫した。今回の対決は客席に向けて紙飛行機を飛ばし、自分のところに飛んできた場合はその紙飛行機をもらえるとあり、会場全体が期待に胸躍らせていたが、一番手・小泉、続く礒部ともに、舞台からは飛び出すも客席まで届かずという短距離飛行に。チャンスと思われた船戸の紙飛行機はもっとも短距離飛行で、舞台上に落下した。続くスリッパ飛ばしは、まさかの後ろに飛ばすという“船戸節”で最下位。3種目目・全力あっち向いてホイではかろうじて船戸が礒部に勝つも、3種目の合計スコアで最下位に沈むという、彼女たちらしい結末に、場内には和やかなムードが広がった。

後半はライブパート。1曲目は3人それぞれの特徴を歌詞に込めたMIX JUICEの紹介ソング「ぐるぐるミックスジュース」。歌唱前に礒部が「私のパートは2人がカバーしながら歌ってくれるので、みんなも一緒に歌ってもらってもいいですか?」と話していた通り、礒部の歌唱パートは船戸と小泉が分担したほか、生産者からも大きな歌声が。3人は歌詞にあわせた振付もしながらキュートに歌い、コールパートでは生産者からの盛大なコールが上がるなど、1曲目から大盛り上がりとなった。

もちろん1stミニアルバム『MIX JUICE』に収録されているソロ曲も披露。一番手を担った礒部は、歌唱前に「お見苦しい状態で歌うんじゃなくて、(ソロ曲の披露を)なくすとか歌入りで曲を流すとかすごく悩んだんですけど、やっぱり大切な曲なので……プロとして申し訳ない気持ちはとってもあるんですけど、少しでも自分の声でみんなに届けられたらいいなと思って歌うことを選びました」と、万全の状態でなくても歌うことにした気持ちを説明。そして自身のソロ曲「巡る日々を追いかけて」を歌い始める。歌い出しの〈笑い合って泣き合って過ごす日々 一つ一つ大事な思い出にしていこう〉という歌詞に大きな説得力を持たせながらも、喉の不調など感じさせない力強い歌声を聴かせた。

次の船戸のソロ曲は“僕らの歌”「Voyager!!」。船戸の担当カラー・ピンク色に染まった客席から「いち!!」「に!!」「さん!!」「し!!」などのコールがたくさん飛び、ハッピーなムードが一気に場内を満たした。ラストの小泉はソロ曲「One day song」について「今まであんまり歌ってこなかったジャンルの曲だったので、どうやって歌ったらいいんだろうと悩んだこともあった」と吐露しつつ、「音楽に身を任せて、ゆったりと聴いていただければ」とシティポップ調の同曲をしっとりと歌い上げた。歌い終えると「まだ歌ってない曲あると思うんですけど……歌ってほしいですか?」とニヤリ。もちろんとばかりに生産者が大歓声を上げると、2人を呼び込み「Rain or Shine」をパフォーマンス。3人の絶妙なハーモニーが響き渡り、さわやかにライブパートの幕を下ろした。

その後、客席内で生産者へ収穫したフルーツに見立てたカラーボールを渡す“大収穫祭”、グッズ販売の抽選特典である名刺お渡し会と、生産者との交流の時間を楽しんだ3人。そしてもう一度「ぐるぐるミックスジュース」を歌唱することに。先ほどは次女と三女に託した礒部のソロパートを、今度は礒部が自身で歌ってみせる場面もあり、改めて個性豊かな3人の歌声とキャラクターをじっくりと堪能できた。

歌い終えると礒部が「トークで声が出せなかったり、みんなに心配とご迷惑をお掛けしちゃったんですけれども、温存したおかげで無事にソロ曲もみんなにお届けできたし、あの……声出なくても楽しいよ!」と破顔。「これからもいい生産者さんでいてください」と集まった観客にメッセージを送る。船戸は「たくさん“光合成”ができて、みんなにいっぱいソーラービームが届いていればいいなって思います。次のイベントは決まってないけど……MIX JUICEに会いたくないですか? 私もみんなに会いたいので、これからもたくさん私たちのお世話をよろしくお願いします!」と挨拶。小泉も「初めてのことも多かったりしたのでドキドキしたこともありましたけども、無事成功したんじゃなかろうかと思います。いかがでしたでしょうか?」と呼びかけたあと「今日は本当に楽しかったです。またどこかでお会いしましょう!」と生産者へ言葉を贈った。

そして3人はステージの両端までゆっくり進みながら隅々までの生産者の顔を見たあと、最後の挨拶をすることに。すると3人はモニタを見ながらコソコソと会議。そして「本日は誠に……ソーラービーム!」と、MIX JUICEらしいワードチョイスで感謝を伝え、イベントを締めくくった。3人は生産者との交流を“光合成”と表現していたが、終始、温かな雰囲気に包まれていたこの日は、まさにエネルギーの交換の時間となっていたことだろう。この先、さらに大きく実っていくMIX JUICEを楽しみにしていたい。

(文=小林千絵)

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