EU復興基金、景気押し上げに効果 雇用や投資促進=欧州委

Jan Strupczewski

[ブリュッセル 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は21日、新型コロナウイルス禍後の経済立て直しに向けた復興基金が雇用や投資を促進し、ロシアのウクライナ侵攻の悪影響を一部相殺するなど、景気押し上げ効果があったとの分析結果を発表した。

総額7230億ユーロ(7808億4000万ドル)の基金は2021年に6年間の期間を対象に創設された。これまでに2250億ユーロが分配された。

欧州委によると、EUの22年の域内総生産(GDP)成長率は3.4%だったが、復興基金がない場合に比べると0.4%の押し上げがあった。基金終了の26年末までに1.4%の押し上げがある見通し。

復興基金から分配された資金によってEU全体の失業率は0.2%ポイント低下したという。

欧州委のジェンティローニ委員(経済担当)は、EUに加盟する11カ国の経済が昨年、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高でマイナス成長となったが、復興基金がなければ域内経済の減速はもっと深刻なものになっていただろうと述べた。

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