日本の基地に配属の米海軍兵、スパイ罪で起訴

在日米軍基地に配属されている米海軍兵が、機密文書を外国政府に渡したとして、スパイ活動の罪で起訴された。米海軍が21日、明らかにした。

ブライス・ペディチーニ上等兵曹は、2022年から2023年の間に少なくとも7回、外国の諜報員に文書を渡したとされる。

米海軍はまた、ペディチーニ被告が2023年5月、軍のコンピューターのスクリーンが写っている写真を渡そうとしたとしている。

捜査は続いており、同被告は軍法会議にかけられる。

ペディチーニ被告は、日本に配備されているミサイル駆逐艦「ヒギンズ」に、火器管制官として配属されている。

日本国内で最後の犯罪事案があったとされる直後の2023年5月から、勾留されている。

アメリカの捜査当局によると、それ以外の事案は2022年後半から2023年初頭にかけての4カ月間に、米ヴァージニア州ハンプトンローズであったという。

当局は同被告が、「アメリカを傷つけ、外国を利するために使われると信じるに足る理由をもって」情報を渡していたとしている。

一方で、どの国に文書を渡そうとしたのか、そのファイルに何が含まれていたのかは不明だ。

起訴状には、その情報が「国防に関するもの」だったとだけ記されている。

米海軍水上部隊のアーロ・エイブラハムソン報道官は声明で、「この件は現在も捜査中であり、法的手続きも続いている」と述べた。

ペディチーニ被告は2009年に海軍に入り、いくつかの戦艦に配属されてきた。

同被告はスパイ行為と防衛情報の伝達の罪に加え、外国との接触を上官に報告しなかった罪、機密情報について勧誘を受けたことを報告しなかった罪、機密情報を移動した罪、個人用端末を機密対策が取られた部屋に持ち込んだ罪に問われている。

これらの事案は、今年1月に軍法会議に委ねられた。

同月には、やはり米海軍のウェンヘン・ジャオ兵曹(26)が、カリフォルニアの海軍基地で中国情報機関に情報を渡したとされた裁判で、有罪を認めた。ジャオ被告は禁錮2年の判決を受けた。

ジャオ被告は昨年8月、海軍兵ジンチャオ・ウェイ被告と共に逮捕され、中国の諜報員に防衛情報を渡すことを共謀した罪に問われた。

ウェイ被告は、乗船していた戦艦に関する機密情報にアクセスすることができる立場にいた。2022年初頭、アメリカ国民となる手続きを進めていたときに、中国の諜報員の接触を受けたとされている。

(英語記事 Japan-based US Navy sailor accused of espionage

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