働きながらも年金は受け取れる?
65歳を過ぎたあとでも、働きながら年金「老齢基礎年金」を受け取れます。また、厚生年金保険に加入しているならば、老齢厚生年金を在職老齢年金として受給することも可能です。
ただし収入額によっては、受給する年金額の一部もしくは全部が支給停止になる可能性もあるため、注意しましょう。
なお、厚生年金保険の加入期間が長くなるほど、毎年受給する老齢厚生年金の金額自体は増加することになります。なぜなら、65~70歳未満で働いていて、年金を受け取る権利がある方の老齢厚生年金額は、毎年厚生年金保険の加入期間に応じて毎年10月分から改定されるからです。
受け取れる年金額の計算方法
在職老齢年金として支給される金額の基準は、老齢厚生年金と給料の合計で48万円を超えた金額です。合計が48万円以下になれば、全額受け取れます。しかし、48万円を超えると、超えた分の半額が支給停止対象です。
日本年金機構によると、在職老齢年金の支給額は以下の式で求められます。
・老齢厚生年金の月額-(老齢厚生年金の月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2
総報酬月額相当額とは、給料を基に定められている標準報酬月額と、1年間の賞与合計を12で割った数値を足した金額です。賞与を合計した平均月収ともいえます。
例えば、総報酬月額相当額が45万円、老齢厚生年金が12万円だとすると、在職老齢年金の金額は3万円になります。計算式によって算出した額がマイナスになると、老齢厚生年金は全額が支給停止の対象になります。
60~65歳未満に繰り上げて老齢厚生年金を受給する方の場合
65歳になるまでの間に、年金を繰上げ受給する予定の方も注意が必要です。働きながら年金の繰上げ受給をしたケースでも、年金の一部支給停止となる可能性があります。
さらに、60歳へ達した時点よりも給料が25%以上減額した場合に支給される雇用保険の高年齢雇用継続給付を利用している方も、老齢厚生年金額の調整対象です。
雇用保険の高年齢雇用継続給付分と在職老齢年金で支給停止された金額分の合計が、支給停止となる年金額になります。支給停止される年金額は、最大で賃金(標準報酬月額)の6%です。
収入によっては働きながらでも年金は受け取れる
年金は、働いていても受け取れます。ただし、収入と年金の月額が合わせて48万円を超えてしまうと、老齢厚生年金の受給が一部、もしくは全額停止となるケースもあるため、注意しましょう。
60~65歳未満で繰上げ受給した方も同様に、年金額が変動する可能性があります。雇用保険の高齢雇用継続給付とともに受け取る方は、支給停止される金額がさらに大きくなる可能性も少なくありません。
年金を働きながら受け取るかどうかを悩んでいる方は、一度、いくら年金を受け取れるのかを計算してから判断しましょう。
出典
日本年金機構
働きながら年金を受給する方へ
在職老齢年金の計算方法 計算方法
年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー