主力選手高齢化の楽天 求められるのは「2、3年後」見据えたチーム作り

公式戦ではないとはいえ、楽天・今江敏晃新監督の心は晴れないだろう。2024年2月20日のロッテ戦(糸満)に2-3で敗れ、対外試合5連敗。監督初白星がお預けになっている。

「ベテラン頼みのチーム作りは閉塞感が漂いますし、先が見えない」

先発ローテーション入りを狙うプロ3年目の松井雄飛が3回3失点とピリッとしない。楽天の懸念事項は主力選手の高齢化だ。何年も前から懸念されていたが、若手が台頭してこない。23年シーズンは39歳右腕の岸孝之がチームトップの9勝をマーク。守護神の松井裕樹が海外FA権を行使してパドレスに移籍したため、先発ローテーションの中心だった則本が抑えに配置転換された。日米通算200勝まであと3勝に迫った田中将大はオフに右肘のクリーニング手術を受けて復活を期すが、若手が台頭してこなければチームが活性化しない。打線も中核を担う浅村栄斗、島内宏明にいつまでも依存できない。

スポーツ紙記者は、「現有戦力を考えた時、2,3年後の優勝を目指してチームを構築した方が良いと思います。若手が伸び悩んでいるというが潜在能力が高い好素材が多い。すぐに結果が出なくても1軍で起用しなければ成長しないですから。ベテラン頼みのチーム作りは閉塞感が漂いますし、先が見えない」と指摘する。

松井、清宮虎多朗、安田悠馬、黒川史陽、入江大樹、辰見鴻之介とファームで力をつけている若手や、ドラフト1位の古謝樹らルーキーたちが1軍の主力として一本立ちできるか。戦前の下馬評が低い中、チームをどう立て直すか。楽天が変革期を迎えている。(中町顕吾)

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