猫が持っているすごい『肩書』5選 市長、城主…世界に実在したエライ猫たち

世界に実在したエライ猫たち!肩書3選

1.米アラスカ州の猫市長「スタッブス」

茶トラ猫のスタッブスはアメリカ・アラスカ州タルキートナで、1997年に正式に「名誉市長」に任命された猫です。市の住民たちはスタブスを「市長猫」と呼んで慕っていました。

スタッブスは人口1,000人にも満たないタルキートナの、シンボル的な存在に。名誉市長に任命された経緯にはさまざまな説がありますが、「選挙候補に有力候補者がおらず、有権者がそろってスタッブスに投票したため」という話が有名です。

ともあれスタッブスは市長の座に就きました。

就任後はとくに公務に励むことはなかったようですが、タルキートナの有名な政治家猫として地元の人だけでなく観光客にも愛される人気者に。そして2017年7月に20年3ヵ月の長い生涯を閉じました。

2.英国の首相官邸ネズミ捕獲長「ハンフリー」

イギリスの首相官邸であるダウニング街10番地には、1988年頃から「首相官邸ネズミ捕獲長」という役職の猫「ハンフリー」がいました。ハンフリーの仕事は、役職名通りの首相官邸のネズミ退治。

ハンフリーはもともとダウニング街10番地に現れた迷い猫でしたが、内閣府の職員が保護したようです。そしてイギリスのコメディ番組「イエス・ミニスター」「イエス・プライム・ミニスター」に登場する「ハンフリー・アップルビー卿」の名前をとって「ハンフリー」と名付けられました。

ダウニング街10番地では古くからネズミ捕りの猫を飼育する習慣があるのだとか。なかでも、ハンフリーはネズミ捕りの能力が抜群で、先代と比較しても良く仕事をしていた猫といわれており、正式な「首相官邸ネズミ捕獲長」という役職は彼の代から始まったそうです。

しかし長く首相官邸ネズミ捕獲長を努めてきたハンフリーでしたが、1995年6月に行方がわからなくなってしまったそうです。そして3ヵ月後には「もう死んでしまった」と思われていたハンフリー…。しかし実際はとある大学内でパトロールキャットとして活躍をしていました。

その後ハンフリーは引退をして、2006年3月にかつての職場仲間の内閣府職員の自宅で生涯を終えました。

ちなみに現在も「首相官邸ネズミ捕獲長」の役職は続いており、ハンフリーの死後は「シビル」という猫が後を継ぎました。しかし、政界に馴染めず早々に引退したそうです。

そして2011年〜現在は、社交的な猫「ラリー」がその役目を担っています。ラリーは元アメリカ大統領オバマ氏らを歓迎したこともあるそうですよ。

3.米大統領選挙候補猫「モリス」

1992年と2012年のアメリカ大統領選挙で、モリスという名の猫が立候補したことをご存知でしょうか。

モリスは、アメリカの有名なキャットフードメーカー「9Lives」の広告塔として活躍していたオス猫です。当時アメリカでは9Livesが人気商品でCMなども放映されていたことから、モリスは高い知名度と人気を誇っていました。

そのためモリスはあっという間に世間の注目を集め、大統領選挙の話題をさらったようです。

モリスは、選挙運動で「すべてのにゃんこに幸せを!」という公約を掲げました。惜しくも選挙には落選してしまったものの、9Lives社の売り上げを増やし、しっかり社員としての役目は果たしたわけです。

なお「モリス」は一匹の猫を指しているわけではなく、複数の猫が広告塔としてそのキャラクターを引き継いできました。歴代、茶トラ猫が抜擢されており、すべて保護施設から引き取られた猫だと言われています。

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4.岡山備中松山城城主猫「さんじゅーろー」

さんじゅーろーは、岡山県高梁市にある備中松山城の城主猫です。2018年に城内をさまよっているのが発見され、同年12月に城主に任命されました。

松山城は西日本豪雨災害で来城者数が減少したようですが、さんじゅーろーが2018年10月に「城主猫」として地元の新聞に掲載されてから、来城者は右肩上がりになったようです。まさに人気者の城主猫。

元飼い主との再会を果たし(行方不明になっていたようです)、その後再び城内から失踪したりもしましたが、今も元気に松山城主を努めています。

なお「さんじゅーろー」という名前は、備中松山市出身の新選組七番組長「谷三十郎」からとったようです。

5.和歌山電鐵 貴志川線 貴志駅駅長「たま」

たまは和歌山電鐵貴志川線の貴志駅に就任した、日本で初めての猫の名誉永久駅長です。2007年1月5日に駅長に任命され、2015年6月22日に亡くなるまで、貴志駅の人気者として活躍しました。

三毛猫たまは、南海電気鉄道(現・和歌山電鐵)貴志駅で生まれました。4匹の兄弟の1匹として生まれましたが、うち1匹は生後間もなく死亡し、ほかの2匹は里親に引き取られ、穏やかな性格の「たま」は、母猫ミーコとともに駅の売店「小山商店」で飼われるようになったのです。

たまたちは売店と駅南側の倉庫の間につくられた猫小屋で暮らしていましたが、「和歌山電鐵」設立を機に和歌山電鐵貴志駅の駅長に任命されました。

主な職務は「客招き」。穏やかな性格と愛くるしい見た目でたちまち人気者の駅長猫に。たまの活躍は国内で大きな話題となり、貴志駅は「たま駅長効果」で観光客が急増しました。

平成の猫ブーム「ネコノミクス」の新造語も、たまが由来だともいわれています。

その後たまは2015年6月22日に亡くなるまで、駅長としての勤めをしっかり果たしました。なお、現在はたまの後任「たまⅡ世駅長ニタマ」が駅長を努めているようです。

まとめ

今回は世界に実在した(もしくは現在も実在する)、エライ猫たち5選を紹介しました。猫たちは、私たち人間を癒し楽しませてくれる存在です。

これからもさまざまな役職に就いて活躍する猫たちが、私たちの生活に彩りを与えてくれることでしょう。

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