米民間企業の月着陸船「Nova-C」月周回軌道に到着 2月23日朝に着陸予定

アメリカの民間企業インテュイティブ・マシーンズは2024年2月21日付で、同社の月着陸ミッション「IM-1」の月着陸船「Nova-C(ノバC)」を月周回軌道へ投入することに成功したと発表しました。Nova-Cの月面着陸は日本時間2024年2月23日朝の予定で、成功すれば民間企業としては世界初となります。【最終更新:2024年2月22日10時台】

【▲ インテュイティブ・マシーンズの月着陸船「Nova-C」のカメラで撮影された画像。スペースXの「ファルコン9」ロケットから分離された直後に撮影(Credit: Intuitive Machines)】

IM-1はインテュイティブ・マシーンズ初の月着陸ミッションで、着陸船のNova-Cにはアメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月輸送サービス(CLPS)の下で選定された6つのペイロードと民間の6つのペイロード、合計12のペイロードが搭載されています。IM-1ミッションのNova-Cは日本時間2024年2月15日にスペースXの「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットで打ち上げられ、月へ向かう軌道に投入されました。

関連記事:スペースXがインテュイティブ・マシーンズの月着陸船「Nova-C」の打ち上げに成功 民間初の月着陸目指す(2024年2月19日)

【▲ インテュイティブ・マシーンズの月着陸船「Nova-C」のカメラで撮影された画像。スペースXの「ファルコン9」ロケットから分離された後に撮影(Credit: Intuitive Machines)】

インテュイティブ・マシーンズによると、Nova-Cは日本時間2024年2月17日までに主エンジンの点火試験に成功。月へ向かう間に当初の予定よりも1回少ない2回の軌道修正操作を実施した後、日本時間2024年2月22日0時20分付で月周回軌道への投入成功が発表されました。408秒間に渡る主エンジン燃焼を実施したNova-Cは高度92kmの円軌道を飛行しており、着陸船のカメラで撮影された月面の写真も公開されています。

【▲ インテュイティブ・マシーンズの月着陸船「Nova-C」のカメラで撮影された画像。月周回軌道へ投入された後に撮影(Credit: Intuitive Machines)】

IM-1ミッションの着陸目標地点は月の南極近くにあるマラパートA・クレーター(Malapert A、直径約33km)です。インテュイティブ・マシーンズによればNova-Cは日本時間2024年2月23日6時17分に降下を開始し、同日7時30分に着陸する予定です。成功した場合、アメリカとしては1972年12月に実施されたアポロ17号のミッション以来、民間企業としては世界初の月面着陸(軟着陸)となります。

【▲ インテュイティブ・マシーンズの月着陸船「Nova-C」のカメラで撮影された、月のフンボルト海近くにあるベルコビッチK・クレーター(Bel'kovich K、直径約47km)(Credit: Intuitive Machines)】

なお、IM-1ミッションの月着陸はNASAがYouTubeやSNSなどでライブ配信する予定です。YouTubeでのライブ配信は日本時間2024年2月23日6時から始まる予定となっています。

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文/sorae編集部

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