自分の「健康」について、じっくり考えたことはありますか? 毎年3月1日~8日の「女性の健康週間」を前に、女性医療の専門家へのインタビューやイベントを紹介。人生後半の健康の姿を思い描いてみて。
健康について考えよう毎年3/1~8は「女性の健康週間」
女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を自立して過ごすことを総合的に支援するため厚生労働省が毎年3/1 ~ 8と定めた取り組み。期間中は、自治体や企業などがイベント等さまざまな活動を行っています
女性医療の専門家 対馬ルリ子先生に聞きました健康とは自分で作るもの 人生の後半をどう生きるか考えて
50歳前後の更年期は、それまで女性の命を守るために体の各所を健やかに保ってくれていた女性ホルモンが減少し、女性特有の病気にかかりやすくなるとき。これからの人生を自分らしく健康に生きていくにはどのようにすれば良いかを考えておきたいときでもあります。
まずは自身の体について客観的評価をする材料を持っておきましょう。年に1回または半年に1回、健康診断をきちんと受診し続けることでご自身の体の状態を把握しておくことが大切です。
また、日本の女性にはもっと「ヘルスリテラシー」を高めてほしい思っています。これは、健康に関する情報を理解し活用する力のこと。例えば「生理がなくなったら婦人科の病気にかからないよね」と思っている人もいるかもしれません。でも、乳がんは80代でもかかる人があまり減らないことを知っていただき、更年期を過ぎても乳がんの検診を受け続けてほしいのです。
自分の健康を考えるうえの情報や知識は、医師から得ることも可能です。50代の女性には、特に内科と婦人科のかかりつけ医を持つことをおすすめします。健康とは自分で作るもの。自分の体を知り、考えながら、10年後、20年後、30年後にあるべき自分の姿に向かって毎日積み重ねていきましょう。
対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長
対馬ルリ子先生
1984年弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室助手、都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年に「ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック」(現・対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座)を開院し、女性の健康を支える医療や、アンチエイジングドックなど年代別の検診メニューを提供。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、健康スポーツ医。専門は周産期学、女性医療(ウィメンズヘルス)。
女性特有の病気は別途検査を
自治体や職場の健康診断を受けていても、通常メニューには女性がかかりやすい病気の検査は含まれていないことがほとんど。50代がかかりやすい子宮体がんや卵巣がんなどは婦人科の超音波検査を受けることが大切です。このほか、骨密度(骨粗しょう症)や甲状腺(橋本病など)も女性が受けておきたい検査です。
かかりつけ医を持ち健康情報をアップデート
健康情報を理解し、活用する力を意味する「ヘルスリテラシー」。けれども、病気だけでなく食事・運動など健康全般に関する知識が乏しかったり偏りがある人も少なくないよう。そんな人は婦人科・内科で「かかりつけ医」を持つのも一つの手。普段から健康相談できる医師を持ち、自身の知識や情報を正しいものにアップデートして。
人生後半を自分らしく健康に生きる方法を考えて
今の50代女性は、子育てや親の介護など多くのものを背負い、自分のことは後回しになっている人も多いのでは。今こそ、人生の後半をこんな風に自分らしく健康に生きたいという「ライフビジョン」を立ててみて。いつまでも自分の足で歩きたい、友人と趣味を楽しみたいなど、心や社会とのつながりも含めた「健康」の姿を考えてみましょう。
今年の「女性の健康週間」に合わせて開催されるイベントをご紹介。健康づくりに関する学びを深めに出かけてみませんか