「一体感あるガッツポーズ」オーストリア戦、日本男子を鼓舞する張本智和の“熱すぎる姿”にWTT公式が熱視線【世界卓球】

若きエースに引っ張られるような一体感が注目されている。

現地2月21日、韓国で開催されている卓球の世界選手権団体戦は決勝トーナメントがスタート。グループステージを首位通過した男子の日本代表(世界ランク3位)はオーストリア代表(同10位)と対戦し、3-0のストレート勝ちを収め、ひと足先にパリ五輪切符を掴んだ女子に続いて同出場権を獲得した。

見事ベスト8に進出し、パリへの切符を自力で掴んだ日本男子。ワールドテーブルテニス(WTT)公式サイトは、この一戦で日本を牽引する若きエース張本智和に注目した。

張本は日本のトップバッターとして登場。第1ゲームは対峙するアンドレアス・レベンコの強いストレートや鋭いバックハンド攻撃に苦戦し、常にポイントを先行される苦しい展開に。序盤からリズムに乗れず、結局このゲームを8-11で落としてしまう。

だが6年ぶりに全日本王者に輝いた20歳は、第2ゲーム以降からしっかり立て直す。得点を重ねるたびに「チョレイ!」と雄叫びを上げて、自らを鼓舞する張本。レベンコも負けじと激しい闘争心を前面に押し出して反撃し、ポイントを得ると張本に向かってガッツポーズのお返し。お互い一歩も譲らず、一進一退の攻防が続く熱戦となった。

終盤は張本が鋭いバックハンド、得意のチキータでレベンコを突き放し、結局3-1で快勝。1ゲーム落としたが、相手の気迫に一歩も引かなかった張本の闘志溢れる姿がチームに勢いをつかせ、8強進出につなげた。
WTTは試合後、公式X(旧ツイッター)に張本とレベンコの激闘を投稿。第3ゲームで張本が6-4と2点リードし、レベンコと12回の激しいラリーを制したあと、日本ベンチに向かってガッツポーズ。それに応えるかのようにコーチを含めたチームメイトが一緒に立ち上がってガッツポーズを返した場面について「日本の卓球界のスター選手たちの、このような一体感ある動きは勝利を確実なものにした」と記し、日本男子の固い絆を称えていた。

張本は試合後、「サービスがうまい選手で、1ゲーム目を取られたんですけど、すぐ修正できたのでチームにいい流れを持っていけたんじゃないかと思う」と振り返り、「2ゲーム以降は少し力を抜いて、ベンチからも『いつも通りに』と言われたので、そこで修正できた」とチームメイトのアドバイスに感謝した。

準々決勝は、早くも卓球最強の中国と激突する。張本は2年前に敗れた絶対王者に対し、「前回、あと少しで勝てると証明したので、このメンバーで勝てると信じている。2人とも強いですし、3人で力を合わせて、ベンチ含めて、チームとして全員で頑張りたい」と打倒・中国を誓っている。

メダルを懸けた運命の大一番。日本のエースはチーム一丸を胸に、最大の下剋上を虎視眈々と狙っている。

構成●THE DIGEST編集部

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