「京都大学は控訴断念を」吉田寮訴訟で教員有志が声明 「一刻も早く寮自治会と対話を」

吉田寮を巡る訴訟で、京大に控訴断念と対話再開を求める声明を提出する教員有志(22日午後、京都市左京区)

 京都大の学生寮「吉田寮」(京都市左京区)旧棟に住む寮生14人に対して居住の継続を認めた京都地裁判決を受け、京大の教員有志が22日、京大に控訴の断念を求める声明文を湊長博総長宛に提出した。「判決を真摯(しんし)に受け止め、一刻も早く吉田寮自治会との対話を再開すべきだ」と訴えている。

 声明文は、教育学研究科の駒込武教授や人間・環境学研究科の細見和之教授ら教員30人と元教員12人が呼びかけ人となり、「(提訴の理由となった)学生の安全確保を真に望むのであれば、大学は5年に及ぶ裁判のために放置してきた寮棟の補修について、寮自治会と早急に合意を形成してほしい」としている。

 京大は、判決を受けて「本学の主張が一部受け入れられず、内容を精査して対応を検討する」とのコメントを出している。

© 株式会社京都新聞社