オフィス街の癒し「あつんこパン」(小川町)。名物店主と、トルコパンと

昼はパン屋、夜は野菜居酒屋。ビジネス街に突如現れる個性あふれるパン屋「あつんこパン」。お店があるのは東京都は千代田区。本の街神保町の隣であり、オフィス街でもある小川町で、働く人に長く愛されるお店です。

今回「あつんこパン」へ一緒に巡るのは、「パン」に魅了され、パン好きモデルとして活躍中の「パン野ゆり」さん。パンシェルジュの資格を取得し、パンのプロデュースやトークショーへの出演、ファッションブランドとのコラボなど、活躍の場をますます広げている彼女。「あつんこパン」にも行かれたことがあるそう。

世にも珍しいトルコのパンをはじめ、個性あふれるパンたちと街の働く人たちに人気の名物店主の宮武さんも取材しました。

惣菜とヴィーガン対応のパン。街の働く人の胃袋を元気にするパン屋さん

植物が絡まる個性的な見た目、オフィス街の一角で異彩を放つこちらのお店はランチタイムになると、オフィスワーカーがこぞって買いに来る人気店。中にはお惣菜を買いに来るOLさんも。それもそのはず、野菜居酒屋の一角がパンコーナーとなっていて、日替わりでお惣菜も販売しています。対面販売で、接客をいそしむあつんこパンのオーナーは、名物店主として人気。

もともと居酒屋をやっていたという「あつんこパン」。もともとカフェにオーナーがパンをおろしていたそうで、そのカフェが閉店したときに常連さんからの要望があり、このお昼の11:30~15:00の時間帯に販売をしているそう。

今では食べログの名店100にも選ばれた人気店。天然酵母でつくるパンのほとんどはヴィーガン対応で、外国人の方も数多く来訪するそう。

ここでしか食べられない!名物のトルコのパン「シミット」

“シミット”というトルコの胡麻パンは、このお店の名物でお値段はなんと280円という安さ。口に含むと、歯ごたえある胡麻の食感ともっちりした生地に、塩気が噛めば噛むほど甘みが出てくる美味しさ。

なぜトルコのこのパンを作ろうと思ったのでしょうか。その秘密は夫婦のトルコでのマラソン大会に。マラソンが趣味のご夫婦。たまたま参加したトルコの大会で、路面で販売されていたのがこのシミット。頭の上にたくさんのシミットをのせて歩くおじさんが街中にいて、そのシミットを食べて感動したのがきっかけなんだとか。

日本に帰国後も販売しているお店がまったくなかったという、シミット。それならば自分で作ろうと思って始めたそう。本来シミットはぶどう濃縮液(グレープモラセス)につけてから白ごまをたっぷりまぶしつけてから焼くのが伝統。このぶどう濃縮液は日本では手に入らないので、ぶどうジュースを煮詰めてぶどう濃縮液を再現しているんだとか。

なぜヴィーガン? その理由とは

「あつんこパン」のパンは、8割ぐらいはヴィーガン対応のパン。その理由は、想像以上に、需要があったからだといいます。

宮武さん「夜は野菜の居酒屋をやっているので、ベジタリアンの方が多く足を運んでくれます。そのため、お昼はベジタリアンの方や常連客の皆様がいらしてくれるので、必然的にパンもヴィーガン対応になっていきました。居酒屋も、最初はお肉もお魚も出していましたが、想像以上にベジタリアンのお客様が多かったことから、その需要の大きさや必要性を感じ、ヴィーガンの方々が楽しめるお店になりました。

なぜ野菜居酒屋をはじめたか、もともと鉄板焼き屋をやっていたんです。お肉が多くて、野菜に特化したお店が当時はありませんでした。もう20年も前のことです。野菜は季節でも変わって面白いですし、その面白さにひかれて様々な野菜を扱うようになりました。」

ほっこりエピソード。店名「あつんこパン」は奥様の名前が由来

最後に、「あつんこ」という名前の秘密を伺うと、その由来は「宮武敦子」奥様の名前が由来だという。

季節によって髪色も変わり、奇抜なファッションも自由で楽しいご夫婦。買い物をしながら、夫婦との会話も弾むこの雰囲気は、パン屋にはなかなかありません。

居酒屋ならではの日本酒を使った酒かすのパンやカレーパンなど、様々なパンが勢ぞろいの「あつんこパン」。ぜひ足を運んで夫婦にも会って話かけてみてください。

About Shop
あつんこパン
東京都千代田区内神田1丁目10−5
営業時間:11:30~15:00
定休日:月、土、日

パン野ゆりさん衣装
リネン近江晒シャツワンピース 3万8500円、(中に着た)クロシェレースチュニック 3万1900円、クロシェレースつけ衿 2万3100円(3月下旬頃発売予定)/すべて nest Robe(nest Robe 表参道店)

イヤリング、スニーカー、バッグ/スタイリスト私物

<お問合せ先>
nest Robe 表参道 tel 03-6438-0717

Photo/Yuko Chiba Styling/Naoko Ishii Hair&Make/Michiko Nonaka

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