「はい上がるのは俺だ!」広島カープ 注目のレギュラー争い 久保修&中村健人ら

広島カープの沖縄キャンプは、あす23日から最終クールを迎えます。小宅世人 アナウンサーが注目する選手とは…

小宅世人 アナウンサー
沖縄のメンバーのうち、この6人には “ある共通点” があります。おととしのドラフト1位、“期待の右腕”・斉藤優汰 投手や5年目・キャッチャーの 石原貴規 選手など、ポジションも年齢もばらばらな6人ですが、実は昨シーズン、1軍出場がゼロだった選手たちなんです。ただ、この6人、ことしは一味違います。くやしさを力に変えて必死にアピールを続けています。2人に話を聞きました。

広島カープ 久保修 選手
「守備・走塁に関しては自信を持っていいところなのかなってのは自分でも思うので。やっぱり打てないと試合には出られないので、なんとかオープン戦も始まるので、そこに対してどういう打撃を自分はしないといけないのかっていうのを考えて、またあした以降、やっていきたいなと思います」

2023年入団、ドラフト7位・久保修 。“走攻守” 三拍子のセンスが光る期待の外野手です。沖縄キャンプでは1番の課題として挙げている「積極的なバッティング」で首脳陣の注目を集めています。

去年は1軍出場ゼロながらも、ことしの日南キャンプでは紅白戦7打数5安打と大暴れの大活躍。みごと、沖縄行きの切符を手に入れました。「開幕1軍でプレーしたい」と話す久保は、去年のルーキーシーズンをこのように振り返ります。

久保修 選手
「去年は本当に体力的だったり精神面的に試合前から疲れているというか…。毎日、野球、練習してから試合をするっていうのがこんなにたいへんなんだなっていうのをすごく感じて。今は試合の中でも余裕ができたというか、考えられてできているのかなと思います。誰かが打ったから自分も打たなきゃっていうのはなくて、目先の結果に頼らずにできることをやっていくって感じです」

その一方で、ライバルの活躍に闘志を燃やす選手もいます。

広島カープ 中村健人 選手
「誰よりも打ちたいですし、野球って誰が一番最初に打ったかじゃなくて、総数で誰が一番打ったかだと思うので、誰よりも多いヒット、誰よりも多いホームラン、誰よりも多い打点を虎視眈々と数字に目を背けず戦っていきたいなと思います」

そう語るのは、入団3年目を迎える外野手・中村健人 。おととしのルーキーシーズンは同期入団の 末包昇大 とともに1軍で活躍。63試合に出場し、3本のホームランを放つなど結果を残しました。しかし、去年は末包がブレイクする中、1軍での出場は1度もなし。ファームでも打率2割5厘と苦しみました。

そんな中、ことしは去年までのフォームを大きく修正しました。スイングの際に踏み出す左足を少し3塁側に開いています。バットがスムーズに出るようになったことに加え、バットのヘッドを動かすことで力みなくタイミングをとれる形へと変わっています。

中村健人 選手
「ヘッドを揺らしているっていう部分では、(DeNAベイスターズの)宮﨑(敏郎)選手とか、イメージするのは 中村紀洋さんとか、そういった名打者ばかりになってしまうんですけど、恐縮ながら少しずつ『こういう打球を打ちたいな』とか、『あの打球を選ぶときの間を作りたいな』とか、すごく参考にしてYouTubeを見まくって、動画を見まくって自分の中で作り上げているものはあると思います。プレーでいうと勝負強さとかは負けたくないなと思うので、チャンスの場面で、もし自分に打席があったら『絶対、打点を挙げるんだ』って。そういう部分では負けたくないなと思いますし、勝負強さとか打点とかホームランにこだわっていきたいなと思います」

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小宅世人 アナウンサー
久保選手は、ライバルの活躍にはあんまり一喜一憂せずに自分のバッティングという、一方で中村健人選手は「誰にも負けたくない。誰よりもホームランを打ちたい」という話をしてくれました。そういうコメントでもそれぞれ人間性が出てくるんだと思います。

久保選手に関してはわたくし、初めてお会いしたのは去年、2軍の本拠地・由宇球場(山口・岩国市)で取材をしたときなんですが、試合前から疲れた表情で「まだ自分は精神的にも体力的にも技術もプロのレベルじゃないので、がんばらなくちゃいけないんです」と当時の心境を語ってくれました。

注目はこの2人だけではありません。期待の2年目の右腕・斉藤優汰 投手は、より強いボールを投げたいがために、つい体が前のめりになってしまう投球フォームを現在、必死に修正中です。

キャッチャーの 石原貴規 選手。カギになるのは、打席に入ったときの “貢献度” 。「使ってよかったと言われるような選手になりたい」と話してくれました。

守備範囲の広い 二俣翔一 選手は、昨シーズン、ファームで最多安打のタイトルを獲得しましたが、「1軍で撃たないと、なんの意味もない」と話します。

高卒3年目、20歳のキャッチャー・髙木翔斗 選手。日本代表の 田村俊介 選手と同期なんですが、「キャッチングやブロッキング、守備のレベルアップをまずは図りたい」と。「沖縄に来て、すごくいい経験ができているんだけど、実際にシーズンに入ってから活躍する機会がなくなってしまうと意味がなくなってしまうので」と話してくれました。

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