イタリア政府観光局トップ、中国の海外旅行市場に期待

イタリア政府観光局トップ、中国の海外旅行市場に期待

イタリア・ラツィオ州カッシーノのランタン祭りを楽しむ人々。(1月28日撮影、カッシーノ=新華社記者/李京)

 【新華社ローマ2月22日】イタリア政府観光局(ENIT)のイバナ・ジェリニック最高経営責任者(CEO)はこのほど、新華社の取材に応え、中国人の海外旅行市場には非常に大きな潜在力があり、2024年は春節(旧正月)連休期間を起点として、中国人のイタリア旅行が全面的に回復するとの見通しを示した。

 ジェリニック氏は23年下半期(7~12月)以降、中国人のイタリアやその他欧州諸国への旅行は持ち直しつつあると表明。春節は中国人旅行者数がピークとなる期間で、イタリアの自然の風景と建物の美しさ、特色あるグルメが中国人観光客を引き付ける重要な観光資源になっているとし、「イタリアにはこれら三つを組み合わせることに成功した観光地が数多くあり、より多くの中国人観光客を呼び込む条件が整っている」と述べた。

 また、イタリアの観光地にとって、中国人観光客はきわめて重要であると指摘。イタリア北部に位置するエミリア・ロマーニャ州は中国人観光客にとって伝統的に人気の高い観光地ではないにもかかわらず、19年も同州を訪れた観光客ランキングで中国人が3位に入っており、イタリア観光業全体の発展における中国人観光客の重要性がうかがえるとの見方を示した。

 ジェリニック氏によると、同国を訪れる中国人観光客の増加は観光関連業界やサービス業に利益をもたらすだけでなく、同国の製造業や小売、飲食などの業界にも発展の好機を生み出す。今年はローマやベネチア、フィレンツェ、ミラノなどの都市で多くの中国人観光客の訪問が見込まれるほか、南部のビーチリゾート地や中部の歴史的な町、温泉のある保養地なども中国人観光客の間で人気が高まる見通し。

 観光業はイタリア経済の重要な部分となっている。ENITの公式サイトによると、同国では19年の観光業の国内総生産(GDP)寄与率が13.0%に上った。国連世界観光機関(UNWTO)は1月19日に発表した「ツーリズム・バロメーター」で、ビザの利便性向上や航空輸送力の増強により、中国の海外旅行市場は24年に急速に発展すると予測している。

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