【観察眼】中国のウインタースポーツ人口は3億人に、高レベルの発展に向け前進

中国のウインタースポーツ人口は3億人に達した。

第14回中国全国冬季スポーツ大会が2月17日夜、内蒙古自治区フルンボイル市で開幕した。今大会は北京冬季五輪後に中国で開催された最大規模、最高水準の総合的な全国ウインタースポーツ競技大会であり、大きな影響力がある。また、この大会は中国のウインタースポーツ競技の国際競争力を高め、優秀な人材を発見し、「三億人をウインタースポーツ競技に参加させる」という目標達成後のさらなる進展を拡大し、ウインタースポーツ産業の質的向上と効率向上を促進する任務を担っている。

この大会開催のチャンスをつかんだ内蒙古自治区は、ウインタースポーツの飛躍的な発展を実現した。近年、青少年スピードスケート、ショートトラックスピードスケート、クロスカントリースキー、バイアスロン、アイスホッケー、フィギュアスケート、カーリングなどのチームが相次いで設立され、人材育成システムも形成されつつある。また、今大会でカーリングの混合ダブルスリーグ戦で2位の好成績を収めた福建チームの李鴻博コーチは、「三億人をウインタースポーツに参加させることの効果が十分に現れたことで、カーリングは福建省で質の高い発展の新たな段階に入った」と述べている。

中国は2014年初頭、ロシアのソチで国際オリンピック委員会に対し「中国の冬季五輪招致の最大の目的は、ウインタースポーツを3億人に普及させ、中国のウインタースポーツの飛躍的発展を図ることにある。北京冬季五輪・パラリンピックをきっかけに、より多くの人にウインタースポーツに参加してもらいたい」との考えを示した。

北京冬季五輪では、冬季大会史上最多の7競技109種目が実施されたが、五輪招致を勝ち取った2015年当時、中国ではまだその約3分の1が空白状態だった。しかし2022年2月の北京冬季五輪で、中国選手は7競技、95種目で予選通過を果たした。

北京冬季五輪ではマスコット「ビンドゥンドゥン」が日本でも人気を博した。フィギュアスケートの羽生結弦選手は多くの中国ファンの支持を獲得した。男子ビッグエアで金メダルに輝いた中国の蘇翊鳴選手と日本の佐藤康弘コーチの深い友情は人々の心を打った。北京冬季五輪は単なるウインタースポーツの祭典に終わることなく、中日両国の人々の距離をさらに縮め、友情を増進する意義深い大会となった。

北京冬季五輪の開催準備から6年余りの間に、中国のウインタースポーツはマイナーからメジャーへ、地域から全国へ、冬季から通年への転換を実現した。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、「中国3億人の参加は、世界のウインタースポーツの歴史の節目となる。北京冬季五輪は世界のウインタースポーツ発展の一里塚だ」とコメントした。

北京冬季五輪開催を原動力に、これまで「冷資源」であった中国のウインタースポーツ産業は、3億人が参加する「熱経済」になった。「中国ウインタースポーツ観光発展報告書(2024)」によると、2023-2024冬季に中国のレジャー旅行者数は初めて4億人を超え、観光収入は5500億元(約11兆円)に達する見込みだ。また、「中国ウインタースポーツ産業発展研究報告書(2023)」は、2025年までに中国のウインタースポーツ産業の市場規模が1兆元(約20兆円)を突破する可能性があるとしている。

2025年、第9回冬季アジア大会が中国東北部の黒竜江省で開催される。黒竜江省のウインタースポーツの発展には新たなチャンスがもたらされる。また、世界も注目している。スイスで開催された世界経済フォーラム年次総会2024に出席したスイス国家観光局の責任者は中国メディアの取材に応じ、ハルビンの冬季観光の人気ぶりに驚嘆し、中国人観光客のスイスへの観光旅行を歓迎するとの考えを示した。

この冬、「ウインタースポーツ経済」は中国観光業のキーワードの一つとなっている。これについて国際社会は、「中国のウインタースポーツ経済は巨大な成長エネルギーを放出している」と高く評価している。(提供/CRI)

© 株式会社 Record China