錦戸亮が5年ぶりにフジドラマに帰還! 『Re:リベンジ』でも期待の“人間味”のある演技

赤楚衛二主演の木曜劇場『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)に錦戸亮が出演することが発表された。

本作は、巨大病院で巻き起こる権力争いをきっかけに、さまざまな事件が起こり、登場人物たちの“野心”と“復讐心”が入り乱れ、人間の内に秘めた“欲望”がむき出しになっていくリベンジサスペンス。

錦戸が演じるのは、日本屈指の巨大病院「天堂記念病院」に新しく赴任してくる心臓血管外科の医師・大友郁弥。若くして難易度の高い心臓移植を成功に導き、多くの実績を残してきた郁弥はその才能を見込まれ、「天堂記念病院」で働くことに。だが、郁弥にはこの病院に来る“真の目的”があった。一方、「天堂記念病院」の理事長の息子・海斗(赤楚衛二)は父親がある事件に巻き込まれたタイミングで突如現れた郁弥のことをどこか怪しみ、警戒する。

錦戸の白衣姿に、主演を務めた月9ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)を思い出した人も多いのではないだろうか。錦戸本人も「久しぶりにフジテレビさんの食堂でご飯が食べられると思ったら楽しみですね(笑)」というコメントを寄せている通り、錦戸がフジテレビ系ドラマへ出演するのはこの作品以来、5年ぶりとなる。

『トレース』で錦戸が演じたのは科捜研の研究員・真野礼二。真野は膨大な知識と高い鑑定技術、独自の着眼点を持っていることから、その実力が高く評価されている。しかし、「鑑定結果こそ真実だ」という信念からくる事件について一切の主観や憶測を排除する姿勢がクールで協調性がないと言われることも。自分が納得いくまでありとあらゆる手段を使って鑑定を行うため、新人のノンナ(新木優子)やこれまでの経験で培ってきた“刑事の勘”で捜査をすすめようとする熱血漢の刑事・虎丸良平(船越英一郎)をとにかく振り回していた。

しかし、このような役を演じてもただの“仕事ができるカッコいい男”とならないのが錦戸の演技の醍醐味である。終盤では家族が惨殺され、自分だけが生き残った「武蔵野一家殺人事件」を追うこととなった真野。知らなかった事実が次々と明るみになるにつれて、真野の心は揺れ動き、最後には、自分の行動次第で真犯人を殺せるところまで追い詰める。自分の気持ちもうまく整理できないまま、震え、叫ぶ真野の姿はクールとは言えない。そんな奥底に秘めていた人間らしさを、ここぞという時に表現できるのが俳優・錦戸の素晴らしさなのである。

『Re:リベンジ』で赤楚が演じる海斗は、医師ではないにもかかわらず、理事長の息子という立場から巨大病院の権力争いに立ち向かおうとする。病院内で権力争いを繰り広げる医師の郁弥たちにとって海斗は、うまく使えば有利になる駒となるが、まず排除しておきたい存在でもある。だがそれは、海斗が誰とどのような関係性になるかが物語の展開に大きく影響を与えるということでもある。海斗と郁弥は立場上、敵対関係にあるように思えるが、郁弥には、明かしていない“真の目的”もある。それによって海斗と郁弥がバディのようになる、ということも考えられる。どうなるかはまだわからないが、錦戸のミステリアスなのに人間味のあるその演技で、周囲をどんどん翻弄していってほしいと期待している。

(文=久保田ひかる)

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