宮城能鳳さん、日本芸術院会員 沖縄出身者で初 組踊・琉球舞踊を牽引

 日本芸術院(野村萬院長)は22日、芸術活動で顕著な功績があったとして、「組踊立方」人間国宝で文化功労者の宮城能鳳さん(85)ら12人を新会員に選んだと発表した。同院によると、沖縄県出身の会員は初めて。組踊立方や琉球古典舞踊家として沖縄の古典芸能界を牽引してきたことや、後進の育成などが評価された。宮城さんは「大変光栄で驚いている。私個人の喜びというよりも、困難を乗り越えて芸能を伝えて来た先達への感謝でいっぱいだ」と話した。

 3月1日付で文部科学大臣から発令される予定。他に、作家の小川洋子さん(61)と筒井康隆さん(89)、漫画家の萩尾望都さん(74)、俳優の樫山文枝さん(82)らも選ばれた。

 宮城さんは1938年南城市(旧佐敷町)生まれ、与那原町在住。宮城本流鳳乃会家元。沖縄県立芸術大学名誉教授。61年初代宮城能造さんに師事。86年重要無形文化財「組踊」(総合認定)保持者。2006年「組踊立方」人間国宝。08年旭日小綬章。09年重要無形文化財「琉球舞踊」(総合認定)保持者。19年文化功労者、日本芸術院賞。

 日本芸術院は1919年に帝国美術院として発足し、47年に日本芸術院と名称を変更した。芸術上の功績顕著な芸術家の栄誉機関で、芸術に関する重要事項を審議し、文部科学大臣または文化庁長官に意見を述べることができる。

宮城能鳳さん

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