危険運転致死、男に懲役13年 水戸地裁判決 2人はね死亡させる 故意の信号無視認定 茨城

水戸地裁=水戸市大町1丁目

茨城県鹿嶋市神向寺のカシマサッカースタジアム前の交差点で、赤信号を無視して女性2人を車ではねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)の罪に問われた同県水戸市、会社員、山本和之被告(37)の裁判員裁判判決公判が22日、水戸地裁で開かれ、山崎威裁判長は信号無視は故意だったと認定、懲役13年(求刑懲役15年)を言い渡した。

赤信号を無視したのが故意だったかどうかが争われた。判決理由で山崎裁判長は、通り慣れた道路で交差点の存在自体を忘れていたとする山本被告の主張は「不自然」と指摘。ドライブレコーダーなどの映像証拠とも整合しにくく、「捜査段階の供述は信用できる」として、故意の信号無視を認定した。

山本被告は、捜査段階では停止線から約195メートル手前で赤信号に変わったのに気付いていながら交差点に進入したと認めたものの、公判では一転して「直前まで気が付かなかった」などと主張していた。

判決などによると、山本被告は2022年6月18日午後9時54分ごろ、ワンボックス車で赤信号を無視して同スタジアム前の交差点に入り、横断歩道を渡っていた女性2人をはねて死亡させた。

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