程よいつかまり“SMOKE”ドローモデル ご意見番クラブフィッター評価は！？
25万人分、総数100万以上のスイングデータを元に開発されたAiスマートフェースを搭載したキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズ。今回はドローバイアス設計の「パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー」をピックアップする。つかまり具合の良さ＋“煙(SMOKE)が立つほど速いスピード感”をヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は！？
「性能は固定式ウエート版MAX 気になるのは西川さんと同じアレ…」
―率直な印象は？
「兄弟モデル『パラダイム Ai スモーク MAX ドライバー』と比べて、わずかにドローバイアスは感じますが、極端につかまり具合の強いタイプではありません。構えた際にフックフェースに見えたり、重心距離が短くフェースが返りやすい特性ではなく、外見でボールを少し包み込む雰囲気がある程度で、中身は非常にオートマチックな印象を受けます」
―同シリーズ内での関係性が変化した？
「そうですね。前作の初代『パラダイム』シリーズでは、『パラダイム ドライバー』と『パラダイム ◆◆◆ ドライバー』がややつかまりを抑えたフェードバイアスになっていて、『パラダイム X ドライバー』だけが突出してつかまり担当となっていました。今シリーズでは、『―MAX』がかなりニュートラルな性能に移行し、そこにあえて『―MAX D』ではつかまりを足す必要がなかったように思います。後方部のウエートの位置を見ても、ヒール寄りに付けてつかまりを良くするタイプではなく、真ん中のままでオートマチックに右のミスを減らす特性。ネーミングにこそ『D』＝ドローの意が入っていますが、意外と今シリーズのスタンダードモデルと言ってもいい気がしました」
―他社のドローモデルと比べてもつかまりは抑えめ？
「はい。オートマチックな性能なので、全体と比べてもかなり抑えめなほうだと思います。あえて他社モデルを挙げるなら、テーラーメイドの『HD』＝ハイドロータイプが近いでしょうか。つかまった高弾道が調整せずに打てるという特性が、類似している印象。兄弟モデルの『―MAX』は、後方部にあるスライドウエートを使って弾道をいろいろ調整できますが、固定式ウエートの『―MAX D』は購入したままの設定でハイドローを打ちたい人向けとなっています」
―気になるデメリットは？
「前作までとかなり変化が見受けられた点で、気になるところはグリップです。今作のラムキン製モデル（ST+2 ハイブリッド キャリブレート45G/バックラインあり）はバックラインが強調されていて、すごくグリップの向きを手で感じやすくなっています。前作までの標準的なラバー素材から、やや細めで硬いハイブリッド素材に変わったために違和感を覚えます。バックラインに沿って握ったままヘッドを置けば、毎回同じアドレスができる半面、状況に応じてヘッドorハンドファースト気味に握りたい人には、交換が必要になってくるでしょう…」
―「―MAX D」以外の兄弟モデルも同じグリップが装着されているのに、なぜ一番気になる？
「『―MAX D』は、そもそもつかまり具合が特徴の立ち位置ですし、一番リシャフトするユーザーが少なそうという意味で、余計にグリップが気になるのかもしれません。兄弟モデル『―MAX』と『―◆◆◆』は、用途に応じてカスタムシャフトを挿す人が多いので、正直そこまで気にならない。『―MAX FAST』は同じ種類ですが、他3機種と違う軽量タイプ30g(他は45g)が入っていて、バックラインの存在感がないため全く気になりません。その点では『―MAX D』が唯一、グリップとの相性が気になるモデルといえる気がします」
―どのような人向き？
「『―MAX』のときと同じですが、最新ドライバーに興味があれば全ゴルファー対象といえるほど、幅広い層に向けた性質です。純正シャフト（TENSEI 50 for Callaway）の重量帯（R:52.5g、SR:54.5g、S:57.5g）を見ても分かるように、日本のゴルファーのボリュームゾーンに設定している。HSや年齢、腕前を気にせず選んでも失敗しない。シンプルに左右に曲がらず真っすぐ飛ばせるドライバー。その点ではピン『G430』シリーズに少しターゲット層は被る気がします」
前回大絶賛の「G430 MAX 10K評(4.8点)」に継ぐ高評価【総合評価4.7点】
【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】5.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：TENSEI 50 for Callaway（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
