漁船事件で助かった乗組員、「われわれにひどすぎる」

写真は、21日金門県の葬儀管理所を訪れた犠牲者の遺族。

 福建省泉州市紅十字会〈赤十字社〉などから20日、金門に派遣された職員は今回の漁船事件で助かった2人の乗組員を連れ帰ってきた。そのうち徐という姓の乗組員は「台湾の漁民はわれわれの側に来れば、われわれは彼らに良くしている。(台湾の海上巡視当局は)われわれに対し、ひどすぎる」と非難した。

 20日午後5時ごろ、助かった2人を乗せた「和平新星号」がアモイの五通ふ頭に到着した。2人は泉州市紅十字会職員に伴われて下船し、通関手続きを行った。

 21日未明、徐乗組員は14日午後に自らの身に起きた出来事を思い出し、恐怖がおさまらなかったという。

 「14日午後0時半ごろ、台湾側の船が来るのが見えた。われわれは向きを変えて進んだ。われわれは台湾側の要求で停船した。しかし台湾船はわれわれに近づいた際に直接ぶつかり、われわれの船は転覆した」、「海に出るのは生活のためだ。稼ぐのがこんなに難しいとは思わなかった。ほとんど命懸けだ。死んだ2人はもう戻ってこない。彼ら(台湾海上巡視当局)はむごすぎる」、徐乗組員は悲しみのあまり泣き声も出ない様子で語った。

 14日午後、福建の漁船が金門海域で台湾の海上巡視艇に乱暴に追突され、漁船の4人が全員海に落ち、うち2人が死亡した。善後処置にあたり、助かった2人を連れ戻すため、泉州市紅十字会などが派遣した職員が20午前、乗組員の家族6人に付き添って金門に行った。

 徐乗組員は「大陸側の努力に感謝する。さまざまな方法を尽くし、台湾からわれわれを連れ戻してくれた。われわれは家に帰れた」と語った。〔福州2月21日発新華社=中国通信〕

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