Jリーグ2024年シーズン開幕前に戦力分析!J1、J2、J3の上位争い、残留争いはどうなる?

J1が今月23日、J2とJ3が24日に2024年シーズンが開幕する。今季はどこが上位争い、残留争いを繰り広げるのか。

開幕前にJ1、J2、J3の各チームの戦力を分析して上位、下位を予想した。

J1優勝候補は浦和が筆頭?

今季のJ1は浦和レッズが優勝候補の筆頭だろう。元ノルウェー代表指揮官のペア・マティアス・ヘグモを招へいに成功し、外国籍選手は2022年J1得点王のFWチアゴ・サンタナ(元清水エスパルス)、イタリアの強豪ローマから期限付き移籍でノルウェー代表MFオラ・ソルバッケン、スウェーデン代表の守備的MFサミュエル・グスタフソンを獲得。

日本人選手はベルギー1部ウェステルローに期限付き移籍していたMF松尾佑介、FC岐阜でプレーしていたDF宇賀神友弥が復帰し、FW前田直輝(元名古屋グランパス)、MF渡邊凌磨 (FC東京)、DF石原広教(元湘南ベルマーレ)、DF佐藤瑶大(ガンバ大阪)、DF井上黎生人(京都サンガ)が加入した。一方でMF明本考浩がベルギー1部ルーヴェン、DF荻原拓也がクロアチア1部ディナモ・ザグレブへ移籍と左利きの左サイドバックの層が一気に薄くなってしまった。アタッカーの飽和と懸念点はあるものの、J1全20チームを見渡しても一大戦力であることが分かる。昨季のサポーターが起こした事案により天皇杯に出場できないため、日程面でも恩恵を受けている。

浦和に続くチームは昨季J1覇者のヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島、横浜F・マリノスと予想。神戸は川崎フロンターレからFW宮代大聖、昨季アビスパ福岡をJリーグ杯優勝に導いたMF井手口陽介、神戸アカデミー出身の岩波拓也を浦和から獲得。隙のない補強も、スーパーカップとインテル・マイアミ戦では昨季の強さを見せられなかった。広島は湘南からFW大橋祐紀を獲得して、既存戦力との化学反応に期待がかかる。アジアチャンピオンズリーグ8強に進出した横浜F・マリノスは新指揮官に元オーストラリア代表のハリー・キューウェル監督を招へい。元日本代表MF山村和也を川崎から獲得。先日のバンコクユナイテッド戦に出場したDF 渡邊泰基(アルビレックス新潟)、DF加藤蓮(東京ヴェルディ)、GKポープ・ウィリアム (FC町田ゼルビア)も既存戦力と息の合ったチームを見せただけにチームビルドは良好のようだ。

上位争いをする可能性が高いチームはスタートダッシュに難がある印象があるため、序盤戦で首位を堅持してスロースタートを脱却したチームが優勝に一歩近づく可能性があると予想する。上記した4チームは巨大戦力であるため、新戦力と既存戦力のケミストリー(化学反応)が鍵となるため、指揮官のチームビルディングも見応えがある。

J1残留争いは昇格組か

一方で残留争いは東京V、ジュビロ磐田、北海道コンサドーレ札幌と予想する。東京Vは昨季J1昇格プレーオフを制して昇格してきたが、個の力で圧倒できそうな選手が少ない。ジェフユナイテッド千葉から獲得したMF見木友哉や鹿島アントラーズから期限付き移籍延長したFW染野唯月、アカデミー出身DF谷口栄斗と実力者もいるが、J1では計算が難しいため厳しいシーズンになる可能性がある。

昨季J2で2位の磐田は補強禁止処分が解かれて大量補強を敢行。FWマテウス・ペイショットを始め外国籍選手を5人獲得し、昨季J2ナンバーワン司令塔のMF平川怜(元ロアッソ熊本)、プレースキックに定評があるMF高畑奎汰(元大分)、福岡のファイターMF中村駿らを獲得するも、爆発力に懸念がある。

今季でトップディヴィジョン8年目となる札幌は主力の流出が止まらず、FW小柏剛がFC東京、田中駿汰がセレッソ大阪と攻守の要が去ってしまった。ガンバ大阪から鈴木武蔵が復帰し、MF近藤友喜(元横浜FC)、DF 家泉怜依(元いわきFC)と強力な若手が加わったが、J1残留を考えると心許ないか。

J2は混戦必至か!?読めない上位予想

J2は群雄割拠であり、飛び抜けた実力のチームが存在しないように見えるため混戦は必至だろう。優勝筆頭は恐らく清水エスパルスであるが、主力のFWチアゴ・サンタナが浦和、MF中山克広が名古屋、DF鈴木義宜が京都に移籍したため中々苦しい状況だ。昨季チームトップスコアラーのカルリーニョス・ジュニオや元日本代表のMF乾貴士、GK権田修一の残留しているため、J2では屈指のスカッドを誇っている。

昨季J1最下位でJ2に降格した横浜FCはFW山下諒也がG大阪、MF近藤友喜が札幌と主力が流出も、チャンスメイカーのMF井上潮音が残留した。昨季J2で13得点を奪ったFW森海渡を完全移籍で獲得し、キックに定評があるDF福森晃斗を札幌から加えて再起を図る。

清水と横浜FCより戦力的に若干見劣りするものの、ファジアーノ岡山は実績豊富なブラジル人チャンスメイカーFWのガブリエル・シャビエル、いわきのストライカーMF岩渕弘人、ドイツ人守護神GKスベンド・ブローダーセン、モンテディオ山形の汗かき役MF藤田息吹ら実力者を大量補強して初のJ1昇格を虎視眈々と狙う。昨季J1昇格POに進出した山形も宿敵のベガルタ仙台からMF氣田亮真、MF加藤千尋など積極補強に成功している。

残留争いは鹿児島、いわきか

J2の残留争いは鹿児島ユナイテッドが厳しい戦いを強いられる可能性が高い。昨季リーグ戦後半で左ヒザ前十字靭帯損傷のエースFW米澤令衣の活躍により2位でJ2昇格をつかみ取ったが、J2で戦えるだけの個の能力を持った選手が米澤以外見当たらない。昨季山形で頭角を現し始めたMF田中渉の補強はあったが、J2全体で見ても層の薄さが際立っている。

今季多くの主力選手を引き抜かれたいわきも苦しい戦いを強いられそうだ。FW有田稜(山形)、MF宮本英治(アルビレックス新潟)、MF岩渕弘人(岡山)、MF永井颯太(東京V)、DF河村匠(東京V)、DF家泉怜依(札幌)とチームを支えてきた主力が抜けた一方で、主力DF嵯峨理久が残り、C大阪からMF大迫塁、MF西川潤を期限付き移籍で獲得。ただプレシーズンマッチでJ3福島ユナイテッドに2-2で引き分けるなど、苦しい状況は否めないか。

熊本はチームの心臓であるMF平川怜が抜けたことで、チームの構成や戦術などを見直す必要があるかもしれない。それだけ平川の存在が大きかっただけに、その穴を埋める補強はできなかった。攻守に大きく貢献してきたレフティーMF島村拓弥の柏移籍もかなりの痛手だ。昨季より戦力の層は薄くなっているので、厳しい戦いは避けられないだろう。

J3は大宮が優勝候補筆頭!松本とデッドヒートか

昨季J3に降格してしまった大宮アルディージャだが、J3に参戦するチームとは思えない戦力を保持している。欧州選手権に出場した元ポーランド代表ヤクブ・シュヴィルツォクが残留し、J1で実績のあるFW杉本健勇をジュビロ磐田から期限付き移籍で獲得。岡山からベテランDF濱田水輝を完全移籍、神戸から泉柊椰も期限付き移籍により入団。生え抜きで期待のDF市原吏音もトップチームに昇格したため戦力の維持に成功した。

大宮の対抗は松本山雅で決まりだろう。昨季J3得点王(19得点)の小松蓮がブラウブリッツ秋田へ移籍したが、昨季J3で得点ランキング2位(16得点)のFW浅川隼人の加入で穴を埋めた。他にも磐田からMF山本康裕、横浜FCからMF 高井和馬、SC相模原からMF安藤翼、浦和からDF馬渡和彰ら実力者の獲得により強力なスカッドを手に入れた。

降格組のツエーゲン金沢、カターレ富山なども実力があるため、今季も激しいJ2昇格争いが予想される。

残留争いは北九州と讃岐か

残留争いは昨季最下位のギラヴァンツ北九州は岡山からFW永井龍、松本からMF喜山康平ら実力者を獲得したといえ、未知数であることは否めない。カマタマーレ讃岐は富山から大野耀平を加えて、昨季爆発した神戸所属のFW冨永虹七の期限付き移籍延長、富山からFW川西翔太を完全移籍と前線の補強には成功するも、DF奈良坂巧のレンタルバックやMF川﨑一輝の磐田移籍など後方の薄さが命取りになる恐れがある。

アジアカップ後の2024年Jリーグ「要チェック」の5人

今季も各ディヴィジョンで激しい戦いが予想されるJリーグ。どこが栄冠を手にして、どこが涙を飲むのか。選手たちの死闘から目が離せない。

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