偉大な将軍・ 徳川家康に会いに行こう!関連する日本の5スポット

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かつての将軍の足跡を辿る旅

徳川家康(1543年~1616年)は日本でもっとも尊敬されている歴史的人物の一人です。家康は将軍として、日本に平和な時代をもたらし、江戸(現在の東京)を日本の首都にしたことでも知られています。家康が日本の政治や歴史に及ぼした影響は、計り知れません。

家康はまた、文学や漫画、映画、ゲームなどの現代のメディアにも大きな影響を与えています。彼は、今や世界中の人々になじみ深くなった「サムライ」のイメージを形作った立役者でもあります。

本記事では、この偉大な歴史人物の生涯に深く関わる場所をご紹介します。日本の歴史を変えた将軍・徳川家康ゆかりのスポットをぜひ巡ってみてください。

徳川家康について

Photo by Pixta

1543年に生まれた徳川家康は、日本で最後の幕府を築き上げ、長く続いた戦国時代を終結させました。

家康が幕府をつくる前、日本では、多くの戦国大名が割拠する内乱の時代が長く続いていました。徳川家康によって始まった江戸時代(1603年~1868年)、日本はそれまで例がなかったほどの安定と繁栄を経験しました。江戸時代は、日本が統一国家として初めて成立した時代だとみなされています。

日本には家康ゆかりの場所がたくさんあります。以下、徳川家康と日本の歴史と密接に関わりのある5スポットを紹介します。

1. 名古屋城

家康を巡る旅は、本州の中心部にある彼のゆかりの地・名古屋市から始まります。名古屋市の象徴・名古屋城は、その優美で荘厳な姿によって、この地域でもっとも愛されるランドマークの一つとなっています。

名古屋城は、1612年に徳川家康の命令により建てられ、2世紀以上にわたって徳川家が治める藩のひとつ・尾張藩の本拠地となりました。城を中心に町が繁栄し、今では日本第三の都市となる名古屋市が形成されました。

もともとの城の大部分は、第二次世界大戦中に焼失してしまいました。しかし、1959年に忠実に再建され、今日に至るまでその姿を保っています。

名古屋城は、日本の城ならではの建築美の代表例です。名古屋城は、日本の城の中でも最大級の天守閣を持ち、その頂上は伝説の海獣に似た金色の鯱(しゃちほこ)で飾られています。本丸御殿は武家風書院造の代表的な建築で、もともとは徳川氏尾張藩の政庁として使われていました。

2. 久能山東照宮(静岡)

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次の訪問先は、名古屋と同じ東海地方にある静岡県の「久能山東照宮」です。

世界中の日本愛好家に知られているのは、徳川家康の霊が祀られている世界遺産「日光東照宮」でしょう。しかし「久能山東照宮」も同様に重要な場所で、国宝に指定されています。

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「久能山東照宮」は、実は家康が没後に最初に安置された場所で、家康自身がこの場所を自分のお墓として選んだと言われています。東照宮という名前は、徳川家康を「東照大権現」という神様として祀る神社を指しているのです。

久能山東照宮の建物は、繊細な木彫りの装飾が特徴です。山の頂上に位置するため、壮大な景色をここから眺めることができます。徳川家康は幼少期や後年を静岡で過ごしたことがあり、久能山東照宮は将軍と最も深く関連する場所の一つです。

3. 箱根神社と箱根関所

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東京から簡単にアクセスでき、富士山の眺望が楽しめる箱根は、たくさんの絶景・観光スポットがあることから、国内外の観光客にとても人気です。しかしこの地域のシンボルである芦ノ湖へ訪れる人々も、徳川家康の時代に箱根が首都・江戸への玄関口として重要だったという歴史を知らない場合が多くあります。

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箱根関所は、江戸への道中で、最も重要な関門の一つでした。現在の建物は、当時の記録に基づいて精巧に再建されたもので、再建時には伝統的な建築技術・材料が使われています。箱根関所を訪れれば、まるでタイムスリップをしたような気分になれるでしょう。

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箱根関所の近くには、歴史的な名所・箱根神社があります。「九頭竜神社」としても知られるこの神社の起源は、8世紀にさかのぼります。もともとは、戦での勝利を祈る軍の指導者たちがよく訪れていました。1591年の小田原征伐の際に一度は破壊されましたが、徳川家康によって再建されています。それは、おそらく家康自身がここで軍事的な成功祈願をしたからでしょう。家康は生涯のうち、この神社を複数回訪れたと考えられています。

4. 武蔵一族での忍者体験(東京)

Picture courtesy of Musashi Ichizoku

箱根から世界有数の大都市・東京へ旅を続けましょう。東京は、家康がいなければ存在しなかったかもしれない場所です。

東京の人気スポット・浅草には、武道団体「武蔵一族」の道場があります。彼らは侍や忍者の武道を、今もなお実践しています。忍びは、もともと軍事的に重要な役割を果たしてきており、今は文学やメディアで人気の存在となっています。

Picture courtesy of Musashi Ichizoku

武蔵一族は、徳川幕府と特別なつながりがあります。武蔵一族の先祖は1582年に将軍を護衛し、その後徳川将軍の家臣となりました。彼らはその後265年にわたって徳川幕府に仕えることになります。

武蔵一族では、古代の日本武道の訓練から、熟練したメンバーによるパフォーマンスまで、さまざまな体験を提供しています。日本の歴史を深く味わいたい人にとって、武蔵一族での体験は外せないでしょう。

5. 日光東照宮

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旅の最後は、美しく装飾された日光東照宮へ向かいます。ここは徳川家康の霊が神様として祀られている場所で、奥には家康のお墓もあります。

日光東照宮は、ユネスコに認定された世界遺産として有名です。ここには古くから神社があり、それが家康を慕っていた三代目の将軍家光(1604年~1651年、家康の孫)によって1617年に改修され、家康の霊廟になりました。神社の建築は、鮮やかな色彩と驚くほど精巧な彫刻が施されており、他の歴史的スポットとは一線を画しています。

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毎年、日光東照宮では、1,000人以上の出演者が鎧や時代衣装を身につけて行列し、将軍の霊を安息の地へ送るイベントが行われます。

日光東照宮は、日本史上で最も重要で有名な人物の記念碑であり、将軍を巡る旅のしめくくりにふさわしい場所です。

徳川家康の足跡を辿る旅に出かけよう

日本史に関心があるなら、今回紹介したスポット以外の家康ゆかりの場所にも訪れることをオススメします。例えば、家康が生まれた岡崎城のほか、浜松城や東京の増上寺といったスポットがあります。

徳川家康の偉大な影響力は今も感じられます。こうした旅を通じて、彼の遺産が今の日本を作り上げたと実感できるでしょう。

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