なぜ西側諸国の制裁でプーチン氏を止められないのか―独メディア

21日、独ドイチェ・ヴェレは、ロシアのウクライナ侵攻から間もなく2年を迎えることについて「なぜ西側の制裁でプーチンを止められないのか」と題した文章を掲載した。写真はプーチン大統領。

2024年2月21日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ロシアのウクライナ侵攻から始まった戦闘が間もなく2年を迎えることについて「なぜ西側の制裁でプーチンを止められないのか」と題した文章を掲載した。

文章は、2年前のロシアによるウクライナ侵攻以後、西側諸国がロシア中央銀行の対外資産凍結やSWIFT国際決済システムからの除外など、ロシアの金融システムに厳しい制裁を科したことでロシアに大きな影響を与えたものの、崩壊するには至っていないと伝えた。

また、石油・ガスに対する制裁ではロシアへの過度のエネルギー依存によりEUの対応が遅れ、戦争初年はロシアがなおもエネルギーで大もうけしたと指摘。その後、EUがロシアの石油・ガス製品禁輸を決定するとともに、ロシアの石油価格に上限を設け、2023年1〜6月にはロシアの石油販売収入が前年同期比47%減るなど効果が出たものの、ロシアは輸送にG7にもEUにも属さない船舶を利用するという制裁回避方法を見いだすと同時に、輸送商品が制裁の対象外であるかのように文書を偽造してG7の船会社をだますなどの行動に出ており、制裁の効果が弱まったとしている。

さらに、ロシアには中国とインドという大口の石油の買い手が存在しており、ロシア経済はある程度の安定を保ち続けていると紹介したほか、中国は石油だけでなく半導体などのテクノロジー製品によりロシアとの貿易を拡大していると解説。「中国とインドがロシアに堂々と武器を売って西側の制裁を受けるリスクを冒すことはないだろうが、ロシアとの貿易拡大を通じて両国はプーチン大統領の戦費調達に手を貸しているのだ」と評した。

文章は、戦争が長引くのに伴い「欧米のウクライナ支援がいつまで続くのか、ますます多くの人々が疑問を抱き始めている」と指摘するとともに、経済制裁でロシア経済を苦境に追いやることによりプーチン大統領の戦意を削ぐというのは「少し甘い考えではないか」とした。そして、ロシアに詳しい専門家の多くが「ロシア経済が完全に破壊されない限り、プーチンは息を引き取るまでこの戦争を続けるだろう」との認識を持っていると伝えた。(翻訳・編集/川尻)

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