90代女性が1億円寄付「芸術系学生の奨学金を」 群馬・藤岡市

 群馬県藤岡市教育委員会は22日、藤岡市内在住の90代女性から昨年、「新たな奨学金制度の原資としてほしい」と1億円の寄付があったと発表した。市は「趣旨に沿って基金を設置したい」としている。

 市教委教育総務課によると、女性は夫(故人)と長く教員を務め、2人とも文化芸術への造詣が深かった。芸術系大学で学ぶ学生を支援するための給付型奨学金に充ててほしいと希望し、財産の寄付を思い立った。女性は「高齢のため匿名にしてほしい」と話しているという。同課は「個人でこれだけ高額の寄付は初めて」と感謝している。

 市には現在、貸与型の奨学金と看護師育成を目的とした給付型の奨学金がある。多様で創造性に富む人材を育成するための給付型奨学金の創設を望む女性の意向を受け、市は基金の設置を検討。関係する条例案と補正予算案を28日開会の市議会3月定例会で提案する。

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