卵の定期便が「爆発的人気」 ふるさと納税返礼品として異例引き合い 農家「消費ニーズにかなった」

ふるさと納税の返礼品の箱詰めや配送作業が行われる地域商社京丹波の事業所(京丹波町橋爪)

 昨年秋以降にリニューアルした京都府京丹波町のふるさと納税の返礼品の中で、特に人気を呼んでいるのが「みずほファーム」の卵の定期便だ。昨年11月の受付開始から1カ月半ほどで900件以上の申し込みがあり、現在の受付分は配送開始が8月からになるなど、爆発的な注文が来ているという。

 卵の定期便は、1回につき30個セットで届く。通常の2.5倍以上の葉酸を含んだ「葉酸たまご」1種類のみや、飼料に黒豆を配合した「くろ丹波」、純国産鶏さくらが産んだ「さくらたまご」を合わせた3種類の詰め合わせがある。健康食品や機械を製造販売するファイテン(京都市中京区)と連携し、水や飼料にこだわった「京乃雅」の30個セットなどもあり、配送期間は3、6、12カ月の3パターンから選べる。

 同ファームの返礼品はもともと、卵と調味料を組み合わせたギフト仕様だったが、町や町観光協会地域商社事業部と協議を重ね、昨年の秋から卵一本に切り替えた。桑山直希社長は「受注の多さは予想外」とおどろきつつ、「日常的に食べる食材なので、定期便という形が消費者ニーズにかなったのは良かった」と喜ぶ。

 長引く円安や飼料代の高騰で、家計の味方と言われてきた卵の店頭価格も高止まりが続く。同事業部は「返礼品へのニーズが、ぜいたく品から普段使いの品へと変化しているのではないか」と分析する。

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