上田綺世がPK成功も、フェイエノールトはEL敗退…GKスヴィラル躍動のローマが“3連勝”

ヨーロッパリーグ(EL)・決勝トーナメントプレーオフのセカンドレグが22日に行われ、ローマ(イタリア)とフェイエノールト(オランダ)が対戦した。

今季のELではグループEに入り、スラヴィア・プラハ(チェコ)に次ぐ2位となったローマと、今季のチャンピオンズリーグ・グループFをアトレティコ・マドリード(スペイン)、ラツィオ(イタリア)に次ぐ3位で終えたフェイエノールトの一戦。両チームの顔合わせは2021-22シーズンのヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)決勝、昨季のEL準々決勝に続いて、3年連続となる。1週間前に行われたファーストレグでは、前半終了間際にイゴール・パイシャオンが決めたゴールでフェイエノールトが先手を取っていたものの、67分にロメル・ルカクが同点ゴールを挙げ、1-1のドローで終了していた。

フェイエノールト所属の上田綺世はベンチスタートとなった一戦は、立ち上がりの5分に動く。敵陣左サイドで相手のパスをインターセプトしたマッツ・ウィーファーが、ルーレットでブライアン・クリスタンテをかわし、中央へパス。ケルヴィン・ステングス、ダヴィド・ハンツコと繋いで、左サイドを駆け上がったクァイリンドスキ・ハルトマンがグラウンダーのボールを折り返すと、ファーサイドでの奪い合いから生まれたセカンドボールをサンティアゴ・ヒメネスが肩で押し込む。“エースストライカー”の泥臭い一撃でフェイエノールトが敵地で一歩前に出た。

ホームで先手を取られたローマも即座に反撃へ。15分、敵陣左サイドでサイドチェンジのボールを受けたステファン・エル・シャーラウィが縦のスペースへ持ち運び、切り返しからマイナス方向へ繋ぐと、ボックス外左寄りの位置からロレンツォ・ペッレグリーニが右足一閃。狙い澄ましたミドルシュートを沈め、ローマが試合を振り出しに戻した。

その後はローマのペースで進んだものの、前半はこれ以上スコアは動かず、後半へ折り返す。後半に入ると拮抗した時間が続き、両チームなかなか決定機の数を増やせない。共に守備面での安定感を欠くことはなく、時計の針のみが進んでいく。攻撃面で違いを作りたいフェイエノールトは78分、ヒメネスを下げて上田をピッチへ送り出した。

結局、90分間では決着はつかず、昨季のEL準々決勝と同様に試合は延長戦に突入。延長前半終了間際の103分には、ペナルティエリア手前の位置で上田が倒され、フェイエノールトがフリーキックを獲得。ファウルを貰った張本人の上田が自ら右足で狙ったが、シュートは枠を捉えきれなかった。

延長後半に入ると、113分にヤンクバ・ミンテがボックス右から左足を振り抜いたが、ここはローマのGKミレ・スヴィラルが横っ飛びセーブで弾き出す。このまま120分間が経過するかに思われたアディショナルタイムには、ボックス右でパスを受けたルカクが、縦への突破から右足を振ったものの、今度はGKティモン・ヴェレンロイターがビッグセーブを見せた。

最後までこれ以上スコアは動かず、決着はPK戦に委ねられた。先攻のローマは1人目のレアンドロ・パレデスがコースを読まれながらもゴール左隅に蹴り込み、対する後攻のフェイエノールトも上田がきっちりとGKの逆を突いて成功させる。続く2人目では、ローマのルカクが蹴ったシュートをGKヴェレンロイターが防いだが、フェイエノールトのハンツコが放ったシュートもGKスヴィラルがビッグセーブ。3人目ではローマのクリスタンテが成功させた一方、フェイエノールトのアリレザ・ジャハンバフシュが右足で狙ったキックはGKスヴィラルが連続セーブで防いで見せる。その後は先攻ローマ5人目のニコラ・ザレフスキまで両チーム全員が決め切り、4-2でローマがPK戦を制した。

この結果、ローマのラウンド16進出が決定。フェイエノールトは3シーズン連続でローマの前に屈することとなった。

なお、EL・ラウンド16の組み合わせ抽選会は現地時間23日に行われる。

【スコア】
ローマ 1-1(2戦合計:2-2/PK戦:4-2) フェイエノールト

【得点者】
0-1 5分 サンティアゴ・ヒメネス(フェイエノールト)
1-1 15分 ロレンツォ・ペッレグリーニ(ローマ)

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