【玖珠】災害時のキッチンカー活用法を探る実証実験を兼ねた避難訓練が18日、玖珠町山浦地区であった。同地区の訓練に合わせ、県西部振興局、今月中旬に発足した県西部地域キッチンカー連絡協議会(立花悠会長)などが一緒に取り組んだ。
震度6弱の地震で停電や家屋の倒壊が発生し、避難所を開設した―との想定。地域住民約90人が旧春日小に避難し、段ボールベッドの組み立て方や防災グッズの使用法などを学んだ。
2台のキッチンカーができたてのカレーやスープ、韓国風混ぜご飯のおにぎりなどを提供。梅木美徳さん(75)=農業=は「カレーもスープもおいしい。近くに湧水があるので水の心配はしていなかったが、もしものときに温かいものが食べられるのはありがたい」と話した。
同振興局は「キッチンカーの機動力、自己完結できる設備は災害時に役立つとあらためて分かった。避難が長期化した際、現場のニーズに合った協力をしてもらえるよう、今回の訓練で出た課題や住民の声を分析したい」。
新型コロナウイルス禍で外食の機会が減った中、キッチンカーは飲食店の新たな選択肢として、ここ数年で急増した背景がある。
立花会長(36)は「温かい食事は精神面だけでなく栄養面でも支援につながる。連絡協議会という横のつながりができたことを生かし、貢献していく」と話した。