ブラック企業に疲れたので、収入が安定していそうな「公務員」になりたいです……。「アラサー」でも受験できるでしょうか?

公務員とは

公務員には、国家公務員と地方公務員があります。公務員は「全体の奉仕者」(日本国憲法第15条第2項)ですが、国家公務員は国民全体のために働き、地方公務員は各自治体の住民のために働くという違いがあります。

・国家公務員の仕事

国家公務員は、大きく一般職と特別職の2種類に分けられます。一般職とは、各省庁やその出先機関で働く職員のことです。一方の特別職は、大臣や裁判官、国会職員などが該当します。

なお、一般職の主な仕事は、国会答弁書の作成(各省庁)、法令・政策の企画や立案(同)、政策の実施に関する事務や法律に基づく許認可手続き(出先機関)などです。

・地方公務員の仕事

各都道府県や市区町村に所属する公務員を、総称して地方公務員と呼びます。都道府県に勤務する地方公務員の仕事は、広域行政に関する事務、都市計画、道路・河川などの建設・整備などです。

一方の市区町村に勤務する地方公務員は、住民サービスに関する事務や窓口業務、道路や水道の維持管理、ごみ処理といった住民に密着した業務を担います。

公務員の収入はどう決まる?

公務員への給与の支払いは、「国家公務員法」「一般職の職員の給与に関する法律」「地方公務員法」で定められています。そのため、社会の経済状況に関係なく、公務員は毎月決まった給与が受け取れます。

このようなことから、公務員の収入は安定していると考えてよいでしょう。では、公務員の給与は、どのように決められているのでしょうか。

・国家公務員の場合

国家公務員の給与を改定するためには、内閣で閣議決定された「給与法案」が、国会での審議を経て可決・成立される必要があります。

・地方公務員の場合

地方公務員の給与は、「級」と「号給」によって決まります。「級」と「号給」を決定する要素は、「級」が職務の困難さ、複雑さ、責任の度合い、「号給」は経験年数による職務の習熟度です。各地方自治体には、「級」と「号給」の組み合わせで構成された給料表の作成が、法律によって規定されています。

そのため、減給処分などにならない限り、給与は安定していると考えることもできます。なお、給料表は職種によって異なります。あくまでも一例ですが、大阪市によると、行政職の8級である局長は、給料が57万4900円です。これに管理職手当の14万3000円、地域手当の11万4864円が加わり、合計で83万2764円になります。

アラサーでも公務員の「中途採用試験」の受験は可能?

アラサー(30歳前後)でも受験できる公務員の中途採用試験は少なくありません。例えば、2024(令和6)年に人事院が予定している、社会人経験者が対象の採用試験では、「1984(昭和59)年4月2日以降」に生まれていれば受験可能です。

このようなことから、公務員の中途採用試験は、アラサーも受験可能の場合があると考えてよいでしょう。

勤めている会社の給与が不安定なら、公務員への転職を検討しよう

公務員には、国家公務員と地方公務員がありますが、いずれも給与に関しては法律に規定があります。そのため、民間企業と違って、公務員は収入が安定していると考えてよいでしょう。

また、国家公務員と地方公務員の中途採用試験は、そのほとんどがアラサーも受験可能となっています。もし、勤めている会社の給与が不安定なのであれば、公務員の中途採用試験を受験してみてはどうでしょうか。

出典

e-Gov 国家公務員法
e-Gov 一般職の職員の給与に関する法律
e-Gov 地方公務員法
人事院 国家公務員採用一般職試験(社会人試験(係員級))
大阪市 大阪市職員のモデル年収額(令和5年度見込)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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