AKB48[ライブレポート]劇場の女神・村山彩希が“恋する女の子”をテーマにプロデュースした新公演開幕!

AKB48<村山彩希プロデュース新公演>AKB48劇場(2024年2月22日/©AKB48)

AKB48が、2月22日(木)にAKB48劇場にて、村山彩希がプロデュースする16人体制の新公演をスタートした。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

2月4日(日)に初日を迎えた研究生新公演<そこに未来はある>公演に続いて、正規メンバーの公演でも16人公演が復活。劇場公演最多出演回数を誇り、劇場公演にかける情熱から“劇場の女神”の異名を持つ村山が“1,000曲以上あるAKB48の楽曲の中でなるべく曲に色がついてないものを集めて、オリジナルの新公演に近いものが作れるように”と趣向を凝らせた新公演。コンサートの定番曲からこれまであまり披露することがなかった曲まで、幅広い表現力が求められる楽曲を盛り込んだセットリストと16人公演ならではの迫力のパフォーマンスで場内を沸かせた。

「Overture」から高揚感に包まれる中、この新公演のために用意されたオリジナル衣装に身を包んだ16人がステージに登場し、「ロマンス、イラネ」で幕開け。「性格が悪い女の子」「恋愛サーカス」「オネストマン」を立て続けに披露し、華やかなパフォーマンスでオープニングを飾った。冒頭のMCでは、本公演をプロデュースした村山が“今日は私自身も楽しみたいですし、みなさんにも楽しんでいただくのが目標です!”と意気込みつつ、“最近AKB48を好きになったという方は「こんないい曲あるんだ」って感じると思いますし、ずっとAKB48が好きな方は「エモっ!!」って思う曲もあるし、もしかしたら知らない曲もあるかもしれないので、今日は1曲でもお気に入りを見つけて帰ってください!”と声を弾ませた。

村山が劇場公演をプロデュースするのは、2017年の16期研究生<レッツゴー研究生!>公演以来7年ぶり2度目。“前回の公演の「学校」というテーマに続くように、学校や部活で無邪気にはしゃいでいた女の子たちが大人になって恋愛をした時の1人ひとりの物語を表現したい”と、この公演のテーマを“恋する女の子”に設定し、本編で披露する楽曲をさまざまな恋愛ソングで構成した。

ユニットパートでは、岩立沙穂・大盛真歩・倉野尾成美が「クサイモノだらけ」で艶やかな歌声を響かせると、「地下鉄のTeddy boy」では鈴木くるみ・徳永海・長友彩海がキュートな振り付けと笑顔でファンを釘付けに。小栗有以・田口愛佳・永野芹佳・村山は「一人想い」をしなやかなダンスと切ない眼差しで魅せ、下尾みう・山内瑞葵は息の合ったデュエットで「タブーの色」を憂いを帯びた表情で届けた。ユニット曲最後の「負け男」では、歌詞にちなんで“ビジュアルメンだけど悪い男に引っかかりそう”という理由で村山から抜擢された千葉恵里・向井地美音・武藤小麟・山根涼羽が挑発的な笑みを浮かべてパフォーマンス。それぞれの楽曲で描かれている“恋する女の子”を色鮮やかに表現したステージで場内を魅了した。

ここで村山が“続いてはですね、この公演で新しくやってみたいことがありまして……”と切り出し、AKB48の劇場公演では初の試みとして、次回の公演から開演前の来場者投票によって指定曲の中から選ばれた1曲を披露することを発表。この日はメンバー間投票で選ばれたという「言い訳Maybe」を歌唱した。

終盤には「君の嘘を知っていた」「ダウンタウンホテル100号室」「ハッピーエンド」をパフォーマンス。ダークな一面も垣間見えるようなドラマティックなステージを展開していき、場内を楽曲の世界観へと引き込んだ。そして「君だけが秋めいていた」を切なくも優しい歌声で歌い上げ、本編を締めくくった。

アンコールでは、村山が“AKB48らしいキラキラ感と、心のどこかにあるつらさや報われなさといった感情のどちらも出せるように”という想いを込めて選んだグループ名を冠した楽曲「AKB参上!」と「運命の歌」を披露。ファンの心を揺さぶるような情熱溢れるパフォーマンスをくり広げた。

最後は村山の“AKB48のよさをもっと世界中に伝えたい”という希望を込めた楽曲「僕にできること」を全員で熱唱。エンディングでは、村山が“この公演のタイトルをファンのみなさんから募集します!”と呼びかけ、こちらもAKB48の劇場公演では初の試みとして、公演タイトルをファンからの公募で決定することを発表。AKB48の楽曲が持つ魅力と今のAKB48メンバーの彩り豊かな個性で魅せた新公演初日は、その余韻を深く残しながら終幕した。

公演前のメディア取材では、プロデューサーの村山が“今回は2回目のプロデュース公演ということで、自分もステージに立っているというのが前回と違うところなので、初日を迎えてファンの方にどういう感想をいただけるのかドキドキワクワクです”と心境を明かしながら、“「ファンのみなさんと一緒にこの公演を作っていきたい」という気持ちを込めて、投票曲を入れたり、公演のタイトルをファンの方から募集したりとか工夫をしてみたので、また前回とは違うよさが生まれていたらいいなと思います。まだあまり色がついていない曲を私たちの曲にできるようにしたいです!”と決意を語った。また、村山が前回プロデュースした公演に出演していた16期生の山内は“前回は「とにかくがむしゃらに研究生らしく全力を出し切ってパフォーマンスする」という気持ちで出させていただいたんですけど、今回は昇格して何年も経って、また違った気持ちで挑むことができたんじゃないかなと思います。曲も幅広くて大人っぽい表現もたくさんある公演になっているので、表現という面でも成長した自分をお見せしたいです!”と笑顔でアピール。同じく16期生で、3月 13日(水)発売の63rdシングル「カラコンウインク」で初選抜入りを果たした長友は“チーム制がなくなった今、こうしてAKB48として1つの公演を作り上げていくということで、AKB48がよりよいグループになるように、この公演を通してみんなで成長していけたらいいなと思います!”と力強くコメントした。

誰よりもAKB48劇場を愛する“劇場の女神”村山彩希が、メンバー1人ひとりの魅力が際立つようにセットリストから演出までこだわり抜いたプロデュース公演。公演タイトルの公募・ファン参加型の企画など、新たな挑戦が詰まった新公演に注目してもらいたい。

コメント

新公演プロデューサー・村山彩希:

公演をプロデュースさせていただくにあたり、1,000曲以上あるAKB48の楽曲の中で、まだ曲に色がついてないものを集めて“オリジナルの新公演に近いものを作る”ということにこだわりました。前回プロデュースした16期研究生の<レッツゴー研究生!>公演は“学校”がテーマでしたが、この公演はそれに続くようなテーマになっています。学校や部活で無邪気にはしゃいでいた女の子たちが大人になって恋愛をした時の1人ひとりの物語を表現したかったので、本編はすべて恋愛を歌っている曲で構成しました。オープニングは、団体で踊るというよりも1人ひとりの個性が引き立つようにしていて、揃えるところは揃えるけど、基本的には“恋する女の子”を好きなように演じてほしいと思っています。そしてアンコールは、AKB48らしさ全開でアイドルらしいキラキラ感を大事にしつつ、それとは逆に心のどこかにあるつらさや報われなさを歌にした曲も入れて1人ひとりのメンバーが抱えている気持ちを吐き出せることで、この公演ならではの表現に繋がったらいいなと思いました。前回の<レッツゴー研究生!>公演の最後は「家出の夜」という楽曲で、これは自分自身と向き合うような曲だったんですけど、今回の公演は“大人になった今もっと視野を広げてAKB48のファンの方以外にも全世界の方々にも歌とダンスで AKB48のよさやメンバー1人ひとりの想いが伝わるといいな”という想いで選んだ「僕にできること」という楽曲で締めくくっています。

オープニングの衣装はこの公演のために新しく作っていただきました! ユニットの衣装も楽曲ごとにバラバラの個性を表現したかったので、色味やバランスを衣装さんとたくさん話し合ったりしました。

公演の正式タイトルについては、ファンの方から募りたいと思っています。観に来てくれたファンの方からこの公演がどう見えたのかを知れる機会にもなると思いますし、決まった公演名に相応しいパフォーマンスができるようにしたいです! また、来てくれた方に投票いただいてリクエストが多い曲を披露するという企画コーナーについては、秋元先生から案をいただきました。新しい挑戦なのでメンバーの対応力も試されますし、この先のことを考えるとけっこう大変なことをしてしまったなぁと思うのですが、ファンの方とも一緒にこの公演を作っていきたいですし、いつも以上にドキドキワクワク感が増えたら嬉しいです!

向井地美音(3代目 AKB48 グループ総監督/26歳):

4〜5 年前くらいにコロナ禍に入って、16人でやるのが当たり前だった劇場公演が、無観客になったり、2人公演、3人、6人、8人とか少人数での公演が通常になっていたこの数年間だったので、その時のことも昨日のことのように思い出しますし、8人公演用に立ち位置表を書き直したりとかいろんな試行錯誤を経て、劇場が続いていると思います。たくさんの方の協力があって16人公演が戻る日を迎えることができたと思うので、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。彩希ちゃんが考えてくれた公演で、私はAKB48の楽曲は歌詞が好きなんですけれども、どの曲も歌詞を解釈しながらパフォーマンスするのがすごく楽しいので、もっとよりよいものを見せていけるように頑張ります。

倉野尾成美(次期・4代目AKB48グループ総監督/23歳):

16人公演って改めて迫力が増すなと感じましたし、やってる側としても楽しいなと思います。ちょっと狭いけれど、この厚みがある感じが、AKB48劇場だなと思いました。まだまだ未完成な部分がたくさんあると思うので、この公演を通してメンバー一同成⻑していけるように頑張ります! この公演はいろんなジャンル恋愛ソングが多いなと思ったんですけど、彩希さんからは“いろんな個性豊かなメンバーを魅せていけるような公演にしたい”と説明していただきました。あまりコンサートとかで披露したことのない楽曲が入っているので、私たちの色にしていきたいと思います。みんなそれぞれ見せ場があると思うので、公演を重ねていくごとに、さらに自分のものにできたらいいなと思います。

<村山彩希プロデュース新公演>

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