「名刺を配るだけで世界遺産のアピールに」枯れた松葉を名刺やカレンダーに 三保松原の“厄介者”を再生【SDGs】

2月23日は語呂合わせで「富士山の日」です。世界文化遺産・富士山の構成資産のひとつである「三保松原」で松林の厄介者とされる「枯れた松葉」をリサイクルするSDGsへの取り組みが始まっています。

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2月23日は静岡県が定める「富士山の日」。この日に合わせ、県は、三保松原のシンボル「羽衣の松」付近の砂浜を海岸保全施設に指定します。海岸保全施設は、海水の侵食から海岸を護る施設のことで指定されると災害で砂浜が被害を受けた際、国から復旧費の補助を受けることができるようになります。

三保松原で環境にやさしい取り組みが始まっています。約3万本の松が生い茂る三保松原。この場所で厄介者とされているのが枯れ落ちた松葉です。

放置すれば、松の成長を妨げるほか、景観を損ねる恐れもあるため、三保松原の保全活動に取り組む団体が週に1度、清掃活動を実施。この日は地元の高校生やボランティアなど約60人が松葉かきを行いました。

<参加した高校生>
「思ったより上手くかけないです」
「三保がキレイになったのもあるんですけど、自分の心もキレイになって、とてもすがすがしい気持ちになった」

集めた枯れ松葉を有効活用しようと、地元の企業などでつくる団体が「枯れ松葉」を「紙」にリサイクルして商品化する取り組みがスタートしました。

<静岡新聞総合印刷 鈴木明日香さん>
「こちらが落ち松葉で作られた『みほのまつがみです』」

松葉を10%ほど配合して作られた紙はざらざらとした手触りです。

<静岡市政担当 坂口将也記者>
「香ばしい香りがしますね」

静岡市駿河区の静岡新聞総合印刷の工場では、再生紙を使った名刺を製造しています。環境にやさしいエコ名刺の完成です。

<三保松原3ringsプロジェクト 藤田尚徳代表>
「(落ち松葉を)何かサステナブルにするために、商品化したいなと思っていて、企業さんが名刺を配ってもらうだけで世界遺産のアピールができて、みんなで街を作っていることにつながる」

名刺のほかにも、カレンダーや折り紙なども開発していて、売り上げの一部を保全活動の費用に充てていきたいとしています。

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