茨城県予算案 外国人材 活躍後押し 留学生の県内就職促進

日本の大学進学などを目指し日本語を熱心に学ぶ学生ら=つくば市松代

茨城県は新年度、技術や能力を有する高度人材など外国人材の確保・育成に力を入れる。新たに産官学連携で留学生の県内就職を促進するコンソーシアムを構築し、インドの大学とも協力覚書を締結する。労働人口が減少する中、茨城県産業の発展へ向け、外国人材の活躍を後押ししていく。県は「外国人に選ばれる茨城」を目指し、取り組みを深める。

「日本語を頑張って学び、日本の大学進学を目指す。将来は日本でビジネスをして働きたい」。つくば市の日本つくば国際語学院。モンゴル出身のエルデネツォグト・アヌンゴーさん(19)は目標を語る。同校に通う学生は20カ国以上、約100人と活発だ。運営するサンスイグループ(同市)の東郷治久代表は、人口減少によりさまざまな分野で外国人材の力が一層必要になる点を指摘。「日本、茨城を選んでくれた留学生を大切にしていきたい」と力を込めた。

県は新年度、大学や企業と連携して、留学生向け支援を強化する。企業視察ツアーやインターンを行い、就職関連イベントの一括化・定例化を図る。これまで就職イベントは企業と大学などがそれぞれ実施してきた。今後は連携により効率化を促し、企業側の欲しい人材像や学生の専門分野・スキルを共有できる仕組みを構築する。企業と留学生とのミスマッチを防ぎ、就職を後押しする狙いだ。

インドの大学とも連携する。今後も需要が見込まれるIT分野での外国人材を活用するためだ。同国はIT大国と呼ばれ、優れた人材が豊富。現地大学で日本語講座を開設するとともに、県内企業の情報を提供することで、日本語教育から県内就職まで一貫したスキームを目指す。

県内では既に、企業でインドを含む外国人材の登用が進む。総合商社の関彰商事(筑西市)はインド最大規模の私立大・アミティ大と覚書を締結し、日印両国の交流を人材面で橋渡しする事業を展開。同国を含む10カ国以上、約40人の外国人材が働いている。同社は「多様な人材の存在は仕事に新しい視点を生み出し、職場にいい影響がある」と利点を強調する。

県は新年度予算で高度人材確保などの外国人材関連事業を盛り込んだ。雇用促進対策室の谷村祐樹室長補佐は「支援をより進めることで、留学生の県内企業就職を促していきたい」と述べた。

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