大島優子「自分に厳しく、人にも厳しくしていた経験と重なる」マーベル映画『マダム・ウェブ』で実写吹き替え初挑戦

By GetNavi web編集部

『スパイダーマン』シリーズのソニー・ピクチャーズが贈るマーベル初の本格ミステリー・サスペンス映画『マダム・ウェブ』が、2月23日(金)に日本公開。今作の主人公は突如として未来予知能力に目覚めるキャシー・ウェブ(後のマダム・ウェブ)で、ダコタ・ジョンソンが演じている。

大島優子●おおしま・ゆうこ…1988年10月17日生まれ。栃木県出身。2006年にアイドルグループ・AKB48に第2期生として加入。“神7”と呼ばれグループを牽引した。2014年6月のAKB48卒業後は俳優として活躍しており、NHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015)をはじめ、NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021)、日本テレビ系ドラマ『ネメシス』(2021)、映画『とんび』(2022)などに出演。私生活では2021年7月に俳優の林遣都と結婚し、2023年1月に第1子出産を発表した。X/Instagram

そんなキャシー(マダム・ウェブ)役の日本語吹き替えを、俳優の大島優子さんが務めることが決定。第1子出産後初となる作品であり、実写映画の吹き替えは初挑戦だという大島さんにインタビューした。

【大島優子さん撮り下ろし写真】

マーベル作品の大ファン!「先に観ていいんですか」

──本作『マダム・ウェブ』で、大島さんは主人公キャシー・ウェブ(マダム・ウェブ)の吹き替えを演じられました。オファーが来たときは、どのような気持ちでしたか?

大島 うれしかったですね! もともとマーベル作品の実写映画やドラマはほとんど見ている大ファンなので、その世界の中に入れることに興奮しました。試写で作品を観るときから「ええ

本当に先に見ていいんですか……」って気持ち(笑)。幸せでしたし、胸が高鳴りました。

──好きな世界観に入り込めるのはうれしいですよね。

大島 ただ、その分プレッシャーもありました。映画だけでなく、コミックスからのファンの方も多いので。マダム・ウェブというキャラクターはコミックスから登場していますが、実写化にあたって、どういう人物になるのかは明かされていなかった。その期待も大きいだろうと思っていました。

──初めて作品をご覧になった際の印象はいかがでしたか?

大島 序盤から展開が早くて驚きました。キャシーが能力を開花させてビジョンが見え始めたシーンでは、過去なのか未来なのか、それすらまだ分からず謎に包まれていて、先が読めない演出に引き込まれました。時間軸に揺さぶられるような、あの感じ……興奮しましたね。ハラハラドキドキさせられ、あっという間に見終わった印象でした。

──キャシーのキャラクターとご自身では、似ている部分や共感できる部分はありましたか?

大島 彼女は初め、人に心を開かないタイプでした。しかも、彼女が出会ったジュリア、アーニャ、マティという3人の少女たちに対しても責任を感じていなかった。しかし、そこから徐々に自分が守っていかなきゃいけないんだという気持ちが芽生えて、最終的には彼女の母性が爆発する。周囲のいろいろなことを少しずつ感じ取って、吸収して、咀嚼することで自分を積み上げていく部分は、私と似ているなと感じました。

アフレコは「あと1か月やりたかった」

──大島さんは、過去にアニメ―ション作品の吹き替えを担当されていましたが、実写映画は初ということで、どのような点に気を配られましたか?

大島 キャシーの感情を表現できるように、自分もお芝居をしているかのような感覚で演じることを意識しました。他の登場人物がキャシーに対してそれぞれどういう相手なのか、距離感や周りの状況、音などでも、声のトーンが変わってくるだろうと考えました。

──お芝居の経験を生かしながらアフレコに臨んだわけですね。

大島 はい。ただキャシー役のダコタ・ジョンソンさんに馴染むようにも意識しました。アフレコは数日間でしたが、1日目は感覚がわからず、しっくりこなかったんです。でも2日目には「ハマった、これだね」と演出の方に言っていただけて、自分でも腑に落ちました。

──限られたスケジュールで完成まで持っていったわけですね。

大島 他の出演者の方のセリフが埋まっていくと、また全然違う感じになりました。そうなると自分のテンションも変わりますよね。最終日に向けて、どんどん世界観を仕上げていきました。最後は名残惜しかったです。あと1カ月ぐらいやりたかった(笑)!

──本作は、アクションシーンも多い作品でした。通常の吹き替えと違う点や発見はありましたか?

大島 アクションシーンは ただただ楽しくやらせていただきました。感情面はあまり考えないで、やられたら「やられた!」っていう感覚で。唸りは、ダコタさん本人と同じような声を真似しました。ダコタさんは『フィフティ・シェイズ』シリーズなど息遣いが多い俳優さんなんですよ。その時の感情によって息遣いが違うので、とても勉強になりました。

──なるほど。呼吸や息の吐き方にも気を付けて演技されていたわけですね。

大島 呼吸って自然なことだから、普段は注目しないじゃないですか。でも、やっぱり緊張している時、疲れている時、反対にリラックスしている時の呼吸は全く違う。そこを表すのがすごく上手な方だったので、いろんなパターンの息遣いをやらせていただいて楽しかったです。

チーム活動への共感「穴埋めされてどんどん成長していく」

──この物語はキャシーと、ジュリア、アーニャ、マティという3人の少女たちの成長も見どころの一つですよね。

大島 キャシーと女の子たちは、みんな寂しそうで何かを求めていた。それは愛情だけではなかったと思うんです。何かを求めて日々生きて、自然とみんなが集まって、でも実は運命の糸で結ばれていた……。キャシー自身、何か自分に足りてないものがあることをわかっていて、みんながチームになることで、それが穴埋めされてどんどん成長していく。その過程にも注目してほしいです。

──大島さんご自身も、チームとして活躍されていたご経験があると思いますが、何か重なる点はありましたか?

大島 彼女たちがいるのは、生きるか死ぬかの世界じゃないですか。キャシーもそのつもりで、女の子たちに厳しく教えることは教え、伝えることは伝えています。そして自分にも厳しくしていると思うんです。私もグループ時代に自分に厳しく、人にも厳しくしていたので、重なりますね(笑)。

──後輩の方も多くいらっしゃる中でチームを率いられていたからこそ、通じる部分があるというか。

大島 照らし合わせてみると通じる部分があるなと思いました。厳しくしながらも、女の子たちのおかげで、彼女自身も変化して成長しているんですよね。

──女の子たちがだんだん仲良くなっていく描写は、微笑ましいですよね。

大島 そうですね。3人それぞれ違った個性の持ち主で、同じ学校でも絶対に友達にならないジャンルだと思うんですけど(笑)。女の子って同じことを体験するとすごく仲良くなる。「あの時こうだったよね」と、経験をシェアすると絆が強くなると思います。

「子どもが健康に生まれてくれるなら、できることすべてやる」

──作中では「母と子」という親子の関係性も大きなテーマになっていますよね。キャシーと実の母親、そしてキャシーと少女たち。

大島 最初は、特に責任を感じていなかったキャシーも、だんだんと女の子たちと過ごすに連れて「守りたい」という母性が生まれていく。戸惑いながらも、それを受け入れていくんですよね。

──実際に、お母さんになられた大島さんから見て、共感する部分はありましたか?

大島 やっぱり子どもが生まれる時は、何がなんでも健康で生まれてほしいし、できることがあれば全てやると思うんですよね。自分もそうすると思うので、キャシーのお母さんの気持ちはすごく共感できました。

──子どもを守りたいという気持ちですね。

大島 逆に母親の記憶がないキャシーの立場になると、お母さんが自分のことを愛していたかなんてわからないじゃないですか。母親にどう思われていたか分からずに30年近く生きてきて、母親の愛情を知った瞬間っていうのは、キャシーの気持ちにも母親の気持ちにも感情移入しましたね。胸が熱くなりました。

マーベル作品の魅力は「自分もスーパーパワーを与えられた感覚になれること」

──今回「マダム・ウェブ」という新たなマーベルヒーローが誕生したわけですが、改めてマーベル作品の魅力とは?

大島 やはり一番は、見た人が強くなった気持ちになれること。見終わった後、なぜか自分もスーパーパワーを与えられた感覚になりますね。そこが私の好きな部分で、いつも自分を奮い立たせてもらえるな、と感じています。でも本作はマーベル初の本格ミステリー・サスペンスということで、アクションで自分が強くなる気分というよりは、頭脳的に賢くなって教養がついたような気持ちになれる。フィジカルだけじゃないのが、今までとはまた違った魅力かなと思います。自分にも何か才能が眠っているんじゃなかいかって思わせてくれるというか。

──大島さんが、キャシーのような“未来が見える”才能に目覚めたらどうします?

大島 いやー、もし未来が見えたとしても、上手く使いこなす自信がないですね。未来が見えても、それをどう使うかの判断ができるかどうか。自分がヒーローとして与えられた使命があるんだったら、できるかもしれませんが。

──大島さんの中で、理想のヒーロー像というものは何かありますか?

大島 私はアイアンマンがすごく好きで。人間として欠落してる部分はあるけれど、能力が高い。でもどこか愛情に飢えていて、ちょっと寂しがりやなところが、すごく心に刺さるんですよね。

──マダム・ウェブも少し共通している点があるような。

大島 そうですね。マダム・ウェブもどこか人間として欠けてる部分があり、人を遮断している部分がある。あまり人に心を開かないタイプだと思うんで、彼女もそれを自分で理解しながら過ごしている。それでも、未来予知っていう能力が与えられてからの彼女の変化ぶりっていうのは素晴らしくて。その成長ぶりが素敵だなと思いましたね。人間、そしてヒーローとして形成されていく感じ、魅力的なヒーローだと思います。

──最後に、公開を楽しみにされているファンの方にメッセージをお願いします。

大島 今回、マーベル初の本格ミステリー・サスペンスということで展開が読めないなか、登場人物一人ひとりのセリフで謎が解き明かされていきます。字幕はもちろん、字幕で追いつかない場合はぜひ吹き替えで見ていただき、一謎を解きながら観ていただければと思います。

映画『マダム・ウェブ』

2024年2月23日(金)全国公開

(STAFF&CAST)
原題:MADAME WEB
監督:S・J・クラークソン
出演:ダコタ・ジョンソン、シドニー・スウィーニー、イザベラ・メルセド、セレステ・オコナー、タハール・ラヒム、エマ・ロバーツ、アダム・スコット
公式サイト:https://www.madame-web.jp
© &

2024 MARVEL

(STORY)
救急救命士として働くキャシー・ウェブ(後のマダム・ウェブ)は、一人でも多くの命を救うため日々奮闘していた。ある時、救命活動中に生死を彷徨う大事故に巻き込まれてしまう。それ以来、キャシーはデジャブのような奇妙な体験を重ねるのだった。自分に何が起きているのか戸惑うキャシーだったが、偶然にも出会った 3人の少女たちが、黒いマスクの男に殺される悪夢のようなビジョンを見てしまう。それが未来に起きる出来事だと確信したキャシーは、少女たちを助けることを決意。未来が見えるという不思議な力を使い何度も危機を回避するが、謎の男はどこまでも追ってくる……。男の目的は一体? なぜ執拗に少女たちを追うのか? やがて明らかになる、少女たちの<使命>とキャシーの能力の秘密。少女たちを守る先に、彼女が救うことになる<未来>の正体とは──

© 株式会社ワン・パブリッシング